奈良県立山辺高(奈良市)で、今年度からドローン(小型無人機)を操縦する資格が取得できる授業が行われている。同校によると、公立高の授業でドローン資格が取得できるのは全国的にも珍しいという。ドローンの活用が様々な分野に広がる中、資格取得で進路の選択肢を広げることを狙う。
公立高校では珍しいドローン資格取得授業
6月、奈良市東部の都祁地域にある山辺高の体育館。巽悠生教諭が合図を出すと、生徒がコントローラーで操作するドローンが飛行を始めた。機体は上昇したり、左右に移動したりと自在に空中を動いた。
2年の生徒(17)は「コツはいるが、操作はおもしろい。将来はドローンを生かした仕事にもつながる」と話し、同じく2年の別の生徒(16)も「ドローンは人の行けないところに行ける。将来性がある分野」と期待する。
民間連携で費用抑制、検定も校内で実施
山辺高では、ドローンスクールを運営する「空力計画」(奈良市)と連携。総合学科の授業で、16歳以上が取得可能な国家資格「2等無人航空機操縦士」の資格取得を目指している。
授業は選択制で、週2時間、座学と実技を行う。授業を始めるにあたり、教諭3人が事前に講習を受け、「1等無人航空機操縦士」の免許を取得。その教諭が講師を務め、生徒たちを指導している。
連携により、空力計画は山辺高を講習・検定会場の一つに登録。実技の実習だけでなく検定試験も行えるようになった。同社の協力もあり、通常であれば数十万円かかる費用に関しては諸経費のみで済むという。
将来は農作物調査やへき地課題解決にも
山辺高ではドローンにカメラを搭載し、学校内の茶園や農作物の生育調査などに活用することも想定する。また、資格取得を就職に活用するだけでなく、プログラムなどを学ぶきっかけにして進学などにも生かしたい考えだ。将来的にはドローンを活用し、へき地の課題解決などを担う人材育成につなげようという意向もある。
巽教諭は「公立高がしていることなので、資格取得の費用も抑えられるようにしている。ドローンをきっかけに、就職だけでなく、情報や理数系大学への進学なども視野に入れ、進路選択の幅を広げてもらえたら」と話している。



