楽天モバイル、契約数急増も赤字続く 2024年12月期決算
楽天モバイル契約数急増も赤字続く 2024年12月期決算

楽天モバイルの2024年12月期決算が発表され、契約数は前年比50%増の約800万件に達したものの、最終赤字は約2000億円と依然として大きな規模となった。同社は低価格プランやデータ使い放題のキャンペーンで顧客を獲得してきたが、収益化には時間を要している。

契約数は急増も収益化への道のりは険しい

楽天モバイルの契約数は2023年12月期の約530万件から大幅に増加し、2024年12月期には約800万件に達した。これは、同社が提供する「Rakuten最強プラン」の月額2980円(税抜)という低価格と、データ通信容量無制限のキャンペーンが奏功した形だ。しかし、総務省のデータによると、携帯電話市場全体の契約数は約1億9000万件に上り、楽天モバイルのシェアはわずか4%強にとどまる。

「契約数の増加は評価できるが、収益化には顧客単価の向上とコスト削減が不可欠だ」と、アナリストの田中一郎氏は指摘する。同氏は、楽天モバイルが低価格戦略で顧客を集めたものの、一人当たりの月間収入(ARPU)は業界平均の約4000円を下回る約2500円にとどまると推定している。

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設備投資と広告費が収益を圧迫

赤字の主な要因は、自前の通信網(自社回線)構築に伴う設備投資の負担だ。楽天モバイルは2024年までに全国の人口カバー率96%を目標に掲げ、基地局の整備を進めてきた。これにより、設備投資額は2024年12月期で約3000億円に達し、減価償却費も約1500億円と、収益を圧迫している。

また、顧客獲得のための広告宣伝費も高止まりしている。2024年12月期の販管費は約1800億円で、その大半が広告費と販売手数料だ。楽天モバイルの三木谷浩史社長は「顧客獲得コストは徐々に低下しているが、まだ高い水準にある」と述べ、今後の効率化に取り組む方針を示した。

競合他社との差別化と今後の戦略

楽天モバイルは、競合のNTTドコモやKDDI、ソフトバンクに対抗するため、データ使い放題の低価格プランに加え、楽天経済圏との連携を強化している。例えば、楽天市場での買い物でポイントが貯まる「楽天モバイルユーザー特典」や、楽天カードとのセット割引などがその一例だ。

しかし、競合他社も低価格プランを打ち出しており、差別化は容易ではない。特に、NTTドコモが2024年に開始した「irumo」や、KDDIの「povo」など、サブブランドの低価格プランが楽天モバイルの顧客獲得を阻んでいる。市場調査会社のMM総研によると、2024年の携帯電話市場の新規契約数のうち、楽天モバイルのシェアは約15%で、NTTドコモの約30%には及ばない。

楽天モバイルは今後、自社回線の品質向上とともに、法人向けサービスやIoT分野での展開を強化する方針だ。2025年には、5Gのエリア拡大とともに、法人向けのデータ通信プランを拡充する計画を発表している。

業績見通しと市場の評価

楽天モバイルの2025年12月期の業績見通しは、契約数が1000万件を超える一方、最終赤字は約1500億円に縮小する見込みだ。同社は、設備投資のピークアウトと顧客獲得コストの低下により、2026年には黒字化を目指すとしている。

しかし、市場の評価は厳しい。楽天グループ全体の株価は、2024年の決算発表後も低迷が続いている。アナリストの多くは、楽天モバイルの黒字化時期が遅れるリスクを指摘し、目標達成には更なるコスト削減と収益向上策が必要だとみている。

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