血液型によって輸血の可否が決まるのはなぜか。O型はすべての血液型に輸血できる「万能供血者」とされる一方、A型からO型への輸血は危険とされる。その理由は赤血球の表面にあるタンパク質の違いにある。
輸血の歴史と血液型の発見
歴史上初の輸血は1667年、フランスの医師ジャン=バティスト・ドニが精神病患者に羊の血を輸血したことに始まる。当時は病気の原因がすべて血液にあると考えられており、瀉血(血を抜く治療)も行われていた。アメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンも瀉血が原因で死亡したとされる。
その後、血液型の発見によって輸血の安全性が向上したが、血液型による適合性の理解は重要である。
赤血球の抗原と抗体のメカニズム
赤血球の表面には抗原と呼ばれるタンパク質があり、A型にはA抗原、B型にはB抗原、AB型には両方、O型にはどちらもない。一方、血液中には抗体が存在し、A型にはB抗体、B型にはA抗体、O型にはA抗体とB抗体の両方がある。
輸血の際、抗原と抗体が反応すると凝集が起こり、重大な副作用を引き起こす。O型は抗原がないため、どの血液型にも輸血できるが、O型の血液には抗体があるため、O型以外からの輸血はできない。
アナフィラキシーショックとRh因子
さらに、Rh因子も重要である。Rhプラスの血液をRhマイナスの人に輸血すると、抗体が産生され、次回以降の輸血でアナフィラキシーショックを引き起こす可能性がある。
現代の医療では、血液型の正確な検査と交差試験によって、安全な輸血が行われている。



