宇宙航空研究開発機構(JAXA)は30日、探査機「はやぶさ2」が今月5日に行った小惑星「トリフネ」への高速接近観測(フライバイ)の詳細結果を公表した。最接近時の距離は小惑星の中心から約744メートル、表面から約400メートルで、中国の記録を超え世界最短を達成した。
中国の記録を大幅に更新
発表によると、フライバイの最接近距離の世界記録は、中国の探査機が2012年に達成した中心から約1451メートル、表面から約770メートルだった。はやぶさ2はこれを上回り、表面距離で約半分の400メートルに迫った。
世界初のレーザー測定成功
距離の測定には機体に搭載されたレーザー機器も使用。フライバイ時のレーザー測定に成功したのは世界初という。通過した軌道は目標からわずかにずれたものの、記者会見した三枡裕也チーム長は「軌道制御としては良い精度で、世界に誇れる成果だ」と述べた。
推定直径と地球防衛への応用
今回の観測で、トリフネの平均直径は約540メートルと推定された。無人探査機の精密制御技術は、地球に近づく小惑星に機体を衝突させて軌道をそらす「プラネタリー・ディフェンス(地球防衛)」に役立つ。JAXA宇宙科学研究所の吉川真准教授は会見で「フライバイ用ではない機体が、これだけの成果を残した意義は大きい」と語った。



