英オックスフォード大学の研究チームは、気候変動対策としてベジタリアン食への移行が効果的とする報告書を発表した。肉食中心の食生活を植物ベースに変えることで、温室効果ガス排出量を最大73%削減できると試算している。
食生活の変更で排出量大幅削減
研究チームは、世界の食料システムが気候変動に与える影響を分析。肉や乳製品の生産は、植物性食品に比べて温室効果ガス排出量が多く、特に牛肉の生産は環境負荷が大きいと指摘した。報告書によると、もし世界の人口がベジタリアン食に移行すれば、食料関連の温室効果ガス排出量は63%削減され、ヴィーガン食では73%削減されるという。
健康面でもメリット
また、肉食を減らすことは健康面でもメリットがあると強調。赤身肉や加工肉の摂取を減らすことで、心臓病や脳卒中、がんのリスクを低減できるとしている。研究チームのマルコ・スプリングマン博士は「食生活の変更は、気候変動対策として個人ができる最も効果的な行動の一つだ」と述べている。
政策提言も
報告書は、政府に対して植物ベースの食生活を促進する政策を提言。具体的には、肉製品への課税や、植物性食品への補助金、学校や病院でのメニュー変更などを挙げている。また、食品業界に対しては、植物ベースの代替肉の開発や、消費者の嗜好に合わせた製品開発を促している。
批判の声も
一方で、農業団体や畜産業界からは、ベジタリアン食の推奨は一方的だとの批判が出ている。畜産は地域経済や雇用を支えており、完全な移行は現実的ではないとの意見もある。また、栄養面での懸念も指摘されており、ビタミンB12や鉄分の不足が問題となる可能性がある。
持続可能な食料システムへ
研究チームは、気候変動対策として食生活の見直しは不可欠だが、完全なベジタリアン食ではなく、肉の消費を減らすだけでも効果があるとしている。持続可能な食料システムを構築するためには、生産者、消費者、政策立案者の協力が必要だと結論づけている。



