日本人の大腸がんの約半数で、一部の大腸菌が作り出す毒素「コリバクチン」が関与していることを、大阪大と東京大の研究チームが明らかにし、英科学誌で10日に報告した。40歳未満の患者では約7割に達しており、世界的に増加している若年発症がんの解明につながるとして期待される。
がん細胞のDNA解析で変異パターンを特定
研究チームは、大腸がん患者183人を対象にがん細胞のDNAを解析し、コリバクチンがDNAを傷つけた際にできる特徴的な変異のパターンを調べた。昭和40年以降に生まれた患者で変異の割合が増えており、高度経済成長期に伴う食生活の変化や、抗生物質の使用拡大が関与している可能性があるという。
予防法の開発へ
大阪大の谷内田真一教授は「母子感染や食事といった感染経路を明らかにしたい。なぜ日本人に多いのか、食生活や腸内環境との関係も解明したい」と話した。研究チームは、ピロリ菌を除菌して胃がんを予防するように、コリバクチンを産生する大腸菌の検出や除菌によって大腸がんを予防する方法の開発を目指し、研究を進めるとしている。



