DNAに刻まれた年齢を推定する「メチル化時計」は、2歳程度の誤差で年齢を割り出せる。実年齢とのずれは死亡率や認知症、フレイルと関連し、進行を遅らせる可能性も研究されている。
AIによる年齢推定の精度と限界
樹木の年齢は年輪でわかるが、人間ではそうはいかない。少し前までは、それができなかった。現在では、ある方法によってほぼ正確に年齢を推定できるようになっている。
人間は他人の年齢を当てたがる生きものかもしれない。「あの人、いくつくらいやろ?」という言葉は日常生活でよく交わされる。多くの場合は見かけで判断するが、成長するにしたがって難しくなる。
より正確な方法のひとつはAIを用いたものだ。顔写真のしわ、たるみ、皮膚の質感などから、深層学習を用いて年齢を推定する。いまや2~4歳の誤差で当てることができるという。ただ、照明や表情などによって大きく影響を受ける。
実際にやってみたところ、実年齢69歳だが、それなりに写っている写真だとドンピシャリ、若々しいのと老けて見えるものだと64歳と74歳だった。誤差がけっこう大きい。ちなみにAIによる年齢推定は、毛髪量をあまり勘案しないそうで、その点はとても嬉しい。
メチル化時計とは何か
2013年には、もうひとつの年齢推定法が報告された。それが「メチル化時計」だ。DNAのメチル化状態を調べることで、年齢を2歳程度の誤差で推定できるという。
ヒトもネズミもゾウも同じ時計を持っている。この時計の進行を遅らせることは可能かどうかが、現在の研究テーマのひとつとなっている。
メチル化時計の実用化とビジネス化
メチル化時計の測定は、早くも「ビジネス」になっている。実年齢との「ずれ」が死亡率や認知症、フレイルとも関連することが示されており、健康状態の指標として注目されている。
科学ミステリーのような面白さを持つこの技術は、今後の展開が期待される分野だ。



