現代俳句の礎を築いた俳人・正岡子規(1867~1902)の未発表の俳句2句が見つかった。東京都台東区の「子規庵」を運営する子規庵保存会が25日、発表した。
歳旦帳「七の椀」から新出句
俳句は〈ふしのやま鶴も飛はさる年始哉〉と〈夕風やきつてはなちしいかのぼり〉。いずれも1898(明治31)年の「歳旦帳」と呼ばれる冊子に書かれていた。子規のもとに年始のあいさつに訪れた弟子らが句と共に記帳した冊子で、表紙には「七の椀」とあり、子規の4句を含む17句が書かれていた。
専門家「子規らしいちゃめっ気」
歳旦帳を調べた復本一郎・神奈川大名誉教授(国文学)によると、2句は全集などに収められていない新出句。〈ふしのやま~〉について、「富士山がきれいで、これで鶴も飛んでいたら申し分ない年始になったという気持ちを詠んだのではないか。(小林)一茶の〈めでたさも中位なりおらが春〉に通じるものがある」。〈夕風や~〉は、「風に乗ったいかのぼり(凧)の糸を切ったらどこまで舞い上がるだろうかという遊び心がある句。子規らしいちゃめっ気がうかがえる」と解説した。
9月から子規庵で展示
保存会によると、歳旦帳は10年ほど前に子規庵に寄託された資料の中にあり、順次研究が進んでいる。復本さんは「子規は自身の句作をたいへんこまめに記録しており、めったなことでは新出句はない。出てくるとしてもこうした新年の句に限られている」と話す。
歳旦帳「七の椀」は明治30年の歳旦帳「眼が覚めて」などと共に、子規庵で9月2日から30日までの水曜、土曜、日曜と祝日に展示される。開庵時間は10時30分から午後4時(正午~午後1時除く)。入庵料700円(高校生以下無料)。



