放送倫理・番組向上機構(BPO)の青少年委員会は、9月29日に開催した会合の議事概要を公表し、TBS系日曜劇場『VIVANT』(毎週日曜21:00~)について議論が交わされたことが明らかになった。
視聴者から過激な暴力・拷問シーンへの懸念
7月後半から9月前半までの約2カ月間にBPOに寄せられた視聴者意見の中で、「国の秘密組織の構成員たちの活躍を描く連続ドラマ(第2シーズン)」が取り上げられた。番組名は明記されていないものの、2023年に第1シーズンが放送され、自衛隊の非公認組織「別班」の活躍を描く『VIVANT』を指すとみられる。
同作については、過度な暴力や拷問のシーンがあるとして、視聴者から「午後9時からの放送であり、社会的な影響を考えてほしい。子どもの成育に悪影響があるだろう」などの意見が寄せられた。
委員から「過激な演出」との指摘
これを受け、担当委員は「銃撃されて血が飛び散ったり、暴力を受けた側の顔面の特殊メークが誇張されたりしていて、より残酷に見えたと思う」と指摘。「私も不適切と感じる部分があって改善を望みたいが、委員会としては、(中断された放送が再開される)10月以降の状況を見て判断すべきだろう」との見解を示した。
また、別の委員も「(2023年放送の)初回シーズンより、今作のほうが過激な演出が多いなと思って視聴した」とした上で、視聴者意見が前作より多く寄せられていることについて、そうした演出が要因ではないかと分析した。
事前告知の必要性も議論
さらに、放送前に暴力描写などについて注意喚起する必要性も議論された。
ある委員は、民放連の放送基準第18条の解説に、午後9時以降の映画やドラマであっても、保護者による児童・青少年への配慮が必要だと放送事業者が判断した場合には、番組冒頭などで事前表示を行うとする規定があることを紹介。その上で、「本件のドラマでも制作者側が事前に告知をするという選択肢があってもよかったのではないか。そうでないと、過去の経験や知見が生かせないことになる」と指摘した。
一方、委員会としては、10月以降に放送が再開されることを踏まえ、今後の状況を見て判断すべきとの意見も出ており、今回の会合では正式な「討論」に進むものはなかった。
『VIVANT』第2シーズンは、2週の休止を経て10月4日から放送を再開しており、次回の委員会は10月27日に開催される。