ダブルヒガシ、漫才ゼロからM-1制覇へ 上京後の挑戦
ダブルヒガシ、漫才ゼロからM-1制覇へ 上京後の挑戦

お笑いコンビ「ダブルヒガシ」が、漫才経験ゼロからプロの道を歩み、2026年8月に東京・ルミネtheよしもとで単独ライブを開催する。東良介さん(1992年生まれ)と大東翔生さん(1993年生まれ)は、ともにNSC大阪校36期生で、2014年にコンビ結成。2023年の第44回ABCお笑いグランプリで優勝した実力派だ。本稿では、渋谷よしもと漫才劇場で聞いた、彼らの決断の背景と未来への展望を紹介する。

漫才経験ゼロから「プロにならなしゃあない環境」へ

東さんはもともと芸人に憧れていたわけではなく、大東さんに誘われるまで漫才を考えたこともなかったという。「よしもと新喜劇やM-1、ネタ番組はよく見ていました。ブラックマヨネーズさん、チュートリアルさん、千鳥さんが好きでした」と振り返る。一方、大東さんは大学の留年が決まった際、「大学を辞める理由が欲しくて」NSCに入学。小さい頃から周りに「オモロい」と言われていたことが後押しとなり、「逃げ込む形でした」と語る。1人では怖かったため、仲の良かった東さんを誘った。母親には「大学を卒業してからでも良いやろ」と止められたが、嘘をついて大学を辞めたことを今でも情けなく思い、両親の前で泣いた記憶があるという。

東さんの両親は反対しなかった。ある日、よしもとから自宅にNSCの願書が届き、親に問われた際に会社を辞めてNSCに入ることを伝えると、すんなり「ええよ」と承諾された。会社の上司からは「そっか、残念やな」と言われたが、3か月ほど勤めた企業での仕事に「ちょっと楽しくないな」と感じていたタイミングで大東さんから誘われ、「まだ若いからやり直しもきく」と決断した。

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大東さんは東さんの性格のしっかりさを評価しつつ、「お笑いをやり始めたらスポンジのようにオモロさを吸収していきました」と語る。東さんは「大東は高校のときからずっと面白かったので、一緒にお笑いをやっていったら何かあるかもしれないと信じていました」と信頼を寄せる。

芸人を辞めたいと思ったことは?

大東さんは「まだないですね」と断言する。当初は「10年くらい何もなかったら辞めようか」と考えていたが、ラジオを聞いてもらえたり、M-1予選の動画がYouTubeで広がったりして、徐々に「オモロい奴ら」と認識されるようになったという。東さんも「やっていることは当初からあまり変わっていない。周りから『オモロいから大丈夫』と言われ、自信を失わずにやってこれたのが大きい」と話す。NSC卒業後、初めてお客さんの前で漫才をやったときには「これから頑張っていかなあかんな」と奮い立った記憶がある。

大東さんは「極端な気持ちの上がり下がりもなく、今日までやってこれた。仕事をこなしていったら自然にプロになった感じ。月4~5回だった仕事が増えていって『プロにならなしゃあない環境』になった」と振り返る。

上京後に目指すのは「M-1コンプレックス」打破

2026年4月に上京して数か月。東さんは「どこで乗り換えたら便利か分かるようになってきた。まだ迷子になるので早めに移動するようにしている」と東京暮らしに少しずつ慣れてきた様子。大東さんは「大阪はギリギリに出ても間に合うが、東京はタクシーも多く、電車の遅延もある。交通面で違いを感じる」と話す。大阪のややこしいのは梅田の地下街だけだと笑う。

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東京進出のきっかけについて、東さんは「もっと有名になって、なんばグランド花月(NGK)に出てもお客さんに喜んでもらえるようになりたい」と語る。2年くらい前からマネージャーも含めて話し合い、当初は「M-1の決勝に行けたら東京に行こう」と言っていたが、このタイミングで決断した。大東さんは「大阪でしこたま働いてきたが、東京でも知名度を上げないと、おっさんになったときにNGKに立てないのではという思いもあった」と理由を明かす。

仕事面では、大阪は数が多いが、東京はさまざまなメディアに出る機会があるという。時間ができたため、上京後に始めたYouTubeの編集を移動時間を利用して行っている。

関西と関東の客の反応の違い

お笑いファンの熱量は同じだと感じつつ、大東さんは「関東は郊外の営業ではまだ知らない人が多いので、腕まくって頑張らなあかん」と意気込む。東さんは「関東の人はお笑いを前向きに楽しんでくれ、『何をしてくれはんねやろ』と期待を感じる。関西の人は『今日は何してくれんの』と待ち構えている文化の違いを感じる。大阪で無名だった頃は、お客さんが背もたれにもたれて『え?何すんの?』という感じだった」と語る。

今後の活動:M-1決勝を目指して

東さんは「いろんなメディアに露出して、東京の人にもコンビを知ってもらいたい。M-1の決勝に出たい。それがコンプレックスになっている。M-1に向けて、こちらで様々な仕事をしながら漫才の力をつけていきたい」と目標を掲げる。大東さんも「M-1に出ない限り、こちらでもドカンとは跳ねないと思う。決勝に行って、全国的に知名度のあるコンビになれるよう頑張る」と力を込める。

ダブルヒガシの単独ライブ『たまちゃん!』は2026年8月7日、ルミネtheよしもとで開催。会場チケットは完売しているが、配信チケット(2000円)が販売中だ。