『THE MUSIC DAY 2026』岩崎Pが語る9時間半生放送の醍醐味と2000人超の観客が生むライブ感
『THE MUSIC DAY』岩崎Pが語る9時間半生放送の醍醐味

14回目を迎える日本テレビ系の夏の大型音楽特番『THE MUSIC DAY 2026』が、7月4日(土曜13:30〜22:54)に千葉・幕張メッセから9時間半にわたって生放送される。サブスクやSNSを通じて音楽との出会い方が多様化するなか、番組ではどのように“一夜限り”の音楽体験を届けようとしているのか。番組を統括する岩崎小夜子プロデューサーに、観客を入れた会場から届けるライブ感、櫻井翔をはじめとするMC陣への信頼、テレビ音楽特番ならではの醍醐味を聞いた。

9時間半だからできること 多彩なアーティストと企画で作る夏の音楽祭

『THE MUSIC DAY』は東日本大震災後の2013年から、「音楽のちから」をテーマに日本を元気づけようと始まった。岩崎氏は「3年目の2015年から毎年テーマを変えて、テーマに寄り添った音楽をお届けしています。もう1つの大きなコンセプトは『夏をみんなで楽しむ』ということ。毎年、幕張メッセで2000人以上の観客を入れて長時間の生放送でお送りしていますが、今年は例年より長い9時間半です。この時間だからこそ多くのアーティストの皆さんとご一緒できますし、テーマに寄り添った企画を立てられます」と語る。

岩崎氏が『THE MUSIC DAY』の担当になったのは2019年。2021年にはコロナ禍で、幕張ではなく日本テレビのスタジオから放送したため、「コロナ禍後からは『みんなで音楽を聴こう』『みんなで盛り上がろう』という意識が強くなりました。『THE MUSIC DAY』は会場で観客に囲まれてパフォーマンスをしていただく環境に重きを置いています」と振り返る。

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テーマ「音楽の物語」に込めた想い

今年のテーマは「音楽の物語」。岩崎氏は「サブスク時代となり、アルバム単位から楽曲単位で音楽を聴くことも多くなりましたし、誰かと一緒にというよりも1人で、イヤホンで聴くようになりましたよね。だからこそ音楽に込められた想いや背景といった『音楽の物語』を知ることで、また違う楽しみ方ができるのではと考えました」と説明する。

また、サブスク時代ならではのヒットとして、SNSを通して最新の曲以外の80年代、90年代、平成の曲のリバイバルがある。「若い世代は、その曲がいつの時代の曲か知らずに聴いていることもあるので、その曲の『音楽の物語』をちゃんと伝えることで、もう一度名曲を聴き直すきっかけになるのではと思いました」と岩崎氏。

テーマの決定過程について、岩崎氏は「この番組は多くの観客に囲まれて放送するからこそ、一体感、ライブ感が生まれています。みんなで聴くからこそ……ですよね。1人で聴くのではなく、『みんなで聴く』をキーワードにしたときに、先ほどのテーマの源に行きつきました。半年前くらいから話し合いを始めて、詰めていく感じです」と明かす。

櫻井翔らMC陣への信頼とチームワーク

総合司会は2013年の初回放送から14年連続で櫻井翔が務める。岩崎氏は「アーティストとしてご出演されている年、司会に徹していらっしゃる年もありますが、櫻井さんは事前に全ての楽曲を聴いて、全てのアーティストへの敬意を持って臨まれています。だからこそ司会としてアーティストたちを温かく迎えられるし、その楽曲の良さを最大限届けてくださる。あれは櫻井さんにしかない力だと思います」と絶賛する。

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さらに「羽鳥慎一さん、バカリズムさん、水卜麻美アナウンサーが加わったチームワークがあるからこそ、2000人の観客の前で、60組超えのアーティストをお迎えして、9時間半もの時間、盛り上げ続けることができるんだと思います。4人が司会というのが、番組の特性かもしれません。アーティスト、アナウンサー、芸人とジャンルも世代も違いますし、それぞれが聴いてきた音楽も違えば、歩んできたバックグラウンドも違うので、4人の掛け算が絶妙なんですよね」と語る。

統括プロデューサーとして一番大事にしていることについて、岩崎氏は「MCもアーティストもスタッフも全員が楽しめる、やってよかったと思えることがしたいですね。自分がライブに行った時に思う『あ〜、楽しかった!』という感覚を視聴者の皆さんに感じていただくには、アーティストの皆さんにそう思っていただくことが大事。そのためにもMCの皆さんとのトークが大事になりますし、MCの皆さんにスムーズに進行していただくためにはスタッフが頑張らないといけない。その連鎖ですね」と答えた。

長時間生放送の構成術と心構え

今年は昨年の8時間を超えて9時間半の生放送。岩崎氏は「ありきたりかもしれないですが、スタッフも全員楽しむことが大事だと思っています。リハーサルも含めると、私たちは相当長い時間幕張にいますが、それでも生放送って一瞬で終わってしまう感覚なんですよ(笑)。終わった後に『楽しかったね』と言えることを心がけています」と話す。

構成については「土曜日に9時間半もテレビの前で過ごすって、なかなかないことですよね。だからこそ、『ここも見たいし、あれも見たい』とずっと思い続けていただくにはどうすればいいのかを一生懸命考えています。ひとつのジャンルが続くことがないように配慮して、『気づいたら9時間半見ちゃったね』となることを想像しながら構成しています」と明かす。

一夜限りのシャッフルメドレーと目玉企画

今年の目玉企画として、昨年日本の音楽番組に初登場した「ディズニー・オン・アイス」を今年も予定。さらに、毎年恒例のSTARTO社アーティストによる「シャッフルメドレー」も健在だ。岩崎氏は「視聴者の皆さんが見たいであろう組み合わせは何か、一夜限りと思っていただける内容になるにはどうしたらいいのか……ということは日々考えています。どうなるかは、生放送をご覧いただけるとうれしいです。本当のこと言うと、まだ決まっていないんですよ(※取材は6月上旬)。毎年ギリギリまで準備しているので」と明かす。

近年で一番手ごたえがあった企画として、2年前に初めて実施した「ラップメドレー」を挙げる。「スタッフも反応が読めず手探り状態だったのですが、櫻井翔さんにもラップで参加していただけて、会場の『キャー』という盛り上がりを聴いて安心したのを覚えています。新しいメドレー企画でご自身の曲ではないものを歌っていただく場合、反応を想像で進めていくことになるので、それが形になり、大きな反響を得られたときは感慨深いものがあります」と振り返る。

番組には歌以外の異色企画もあり、岩崎氏は「『ここでしか見られないもの』が基準です。昨年はパリ在住の杏さんに、毎年6月にフランス・パリで開催されている音楽の祭典『フェット・ド・ラ・ミュージック』の現地リポートと路上ライブをしていただきました。今年は、高嶋ちさ子さんに音楽に関するお悩みに向き合っていただく企画を予定しています。ドラマやインタビューなど手段にはこだわらず、テーマに合わせたステージパフォーマンス以外の企画を取り入れることも大事にしています」と語る。

テレビ音楽特番だから届けられる偶然の出会い

岩崎氏は話題の音楽をキャッチアップする方法として、「毎日、音楽サブスクのチャートで『今何が一番流行っているか』は見ていますし、レコード会社の方々の紹介もあります。あとは、フェスに行くことですね。まだご一緒したことがないアーティストも一気に見ることができるので、一緒に番組を作っているプロデューサー陣と出かけて、楽しみながら新しい音楽との出会いを探っています」と語る。

ライブ、YouTube、SNS、配信サービスがある時代にテレビの音楽特番が提供できる価値について、岩崎氏は「誰かと一緒に、みんなで見られること。そして、新しい音楽に出会えること。サブスクだと自分で調べないとたどり着けない新しい音楽に、テレビなら偶然出会うことができる。さらに、自分は知らないけど親が知ってる曲で会話がはずむ……といった連鎖もテレビのいいところではないでしょうか。あとは『一夜限り』『ここでしか見られない』ものをどれだけ作れるかによりますが、生で見ている視聴者のリアルな感想をSNSで共有しながら見られるのも、テレビのいいところなのかな」と答える。

制作陣も放送中にSNSを「めっちゃ見てます(笑)。トレンドに入るとうれしいし、作ったものが届いた実感があります。特にディレクターとアーティストがこだわった細かい演出に気づいてもらえるとうれしくなりますね」と明かす。

見逃し配信については「以前はずっとテレビに張り付いて見ていないといけなかったものを、TVerの見逃し配信で見られるようになったのは、長時間の音楽番組をやる上では、意味があることだと思っています」と評価する。

最後に、今年の『THE MUSIC DAY』を視聴者にどのように楽しんでほしいかについて、岩崎氏は「1人で見ていただくことが多いかと思いますが、私たちは『家族で見る』というのも意識しています。家族と一緒にテレビを見る機会ってどんどん減っていますよね。『THE MUSIC DAY』はいろいろなジャンル、いろいろな世代のアーティストが出るからこそ親子でも楽しめると思いますので、ご家族そろって見ていただけるとうれしいです。皆さんが楽しみにされているものは、間違いなく見られます。見ていただけたら絶対に楽しいのはお約束します!」とメッセージを送った。