夏の終わりの切なさを音にした究極の一曲。ロックバンドkurayamisakaの新曲「summer film」が、かき鳴らされるギターサウンドと「君が待ちくたびれて 夏の終わりを迎えに行く場面」という歌詞で、聞き手の感情を強く揺さぶる。最後には童謡「シャボン玉」のコーラスが流れ、映像が浮かぶかのような感覚を具現化している。
バンド結成とSpotifyでの躍進
kurayamisakaは、内藤さちさん(ボーカル、ギター)、清水正太郎さん(ギター、ボーカル)、フクダリュウジさん(ギター)、堀田庸輔さん(ドラムス)、阿左美倫平さん(ベース)の5人によるロックバンドで、2022年に東京で結成された。「くらやみざか」と読む。
Spotifyが躍進を期待する次世代アーティスト「RADAR: Early Noise 2026」に選出され、月間リスナー数は20万人近くに達している。「summer film」は今年初のオリジナル曲のシングルとしてリリースされた。
夏への思いとバンドの世界観
Spotifyの担当者は「これまでも夏を主題にした楽曲が多く、ソングライティングを主に手がけているギターの清水正太郎はインタビューやライブ中に夏への思いを語ることも。夏の終わりの喪失感や切なさは、バンドの世界観と共振する」とコメントしている。
筆者がこのバンドを初めて知ったのは、今年の「CDショップ大賞」を受賞した時だった。オルタナティブロックらしいギターの轟音と、内藤さんのはかなく切ない歌声が、ミスマッチなようで溶け合う不思議なバランスを持つ。どこか未完成で、いつも最後のひとかけらを探しているかのような楽曲が耳に残る。
現代のオルタナといえば羊文学が思い浮かぶが、kurayamisakaの作り込まれた世界観で、ともにオルタナ新時代を切り開いていくことが期待される。



