広島県尾道市を舞台にした映画「ゴールデンアワー」を、早稲田大映画研究会が制作した。同市のシネマ尾道で13日に1日限定で上映されるのを前に、「尾道の風情に一目ぼれした」という監督・脚本の浮田聡也さん(20)(国際教養学部3年)に撮影の経緯やロケ地の魅力について聞いた。
青春群像劇のあらすじ
主人公は高校卒業後、別々の道を歩んでいた親友の男女4人。1人が謎の死を遂げたのをきっかけに、郷里の尾道で3人が再会し、それぞれに抱える悩みや過去の秘密が明らかになる中で、友人の死の真相に迫る青春群像劇だ。
テレビドラマ「VIVANT」などに出演した若手俳優・今井柊斗さん、若手実力派の園凜さんらが主人公を演じ、ベテランの原日出子さんが園さんの母親役で脇を固める。
監督の経緯とロケ地への思い
浮田さんは大阪府八尾市出身。幼い頃から映画を見るのが好きだったといい、独学で映画撮影を学び、高校1年の時、友人を集めてアクション映画を作った。「コロナ禍で社会が抑圧的になる中、心を救ってくれるのが映画だと思った」と振り返る。翌年、別の映画で高校生の「映画甲子園」優秀監督賞を受賞した。
2024年に早大に進み、映画研究会に所属。尾道で撮影された名作「東京物語」や大林宣彦監督の作品が好きだったことから、昨年5月に一人旅で尾道を訪れ、「商店街を高校生が自転車で颯爽と走り抜ける姿を見ていたら、ここで撮りたくなった」。1週間ほどで脚本を書き上げた。
自主制作だったが、原さんら俳優陣に依頼文と脚本を送ると、出演を快諾された。学生スタッフ20~30人が集まり、昨年8~9月に東京と尾道、広島市、廿日市市の宮島で撮影した。
尾道ならではの音と上映情報
尾道では国宝の浄土寺や本通り商店街、千光寺山の坂道、JR尾道駅前の緑地帯などでロケを行った。浮田さんは「尾道のロケはどこも住民が協力的で、都会にはない人情を感じた」と語る。
演出や編集では「いかに地元感を出すか」にこだわった。広島市出身のスタッフが方言を指導し、尾道水道の渡船のスクリュー音や造船所の作業音、踏切の警報機など尾道ならではの音を随所に盛り込んだ。
今年3月に完成し、尾道を手始めに全国で上映を計画している。浮田さんは「尾道は様々な映画の舞台になっているのに案外、観光名所は撮られていない。映像できれいに撮り、尾道愛と映画愛の両方が伝われば」と力を込めた。
13日は午後1時半から、本編103分の上映に続いて、浮田さんの舞台あいさつがある。一般1500円。ウェブサイト(https://peatix.com/event/5115771)で事前予約を受け付け中。問い合わせはシネマ尾道(0848・24・8222)。



