友禅にハワイアン柄?異色モチーフを掛け合わせた女性の挑戦と伝統の未来
友禅にハワイアン柄?異色モチーフを掛け合わせた挑戦

伝統的な日本の染色技術である友禅に、ハワイアン柄という異色のモチーフを掛け合わせる挑戦が注目を集めている。この試みを続けているのは、equboさん(仮名)。彼女は、着物業界の未来に感じた危機感を原動力に、新たな表現を模索してきた。

アロハシャツと着物の意外な関係

equboさんがハワイアン柄と友禅の融合を思いついたきっかけは、ある展示会での出会いだった。展示では、アロハシャツの成り立ちに、ハワイに渡った日本人移民と着物地が深く関わっていたことが紹介されていた。

「日本から来た移民の人たちが、とても貧しい生活の中、持ち込んだ着物をシャツに仕立てたことなどが紹介されていました。展示されていたシャツは、本当に日本の伝統的な着物の柄だった。それがすごく素敵で、もしかしたら、アロハシャツを着物に応用する、という、逆パターンもできるんじゃないかと思ったんです」とequboさんは振り返る。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

この展示から、ハワイアンの柄を日本の友禅に施すというアイデアがひらめいた。早速、ハイビスカスなどハワイの柄を取り入れた訪問着の制作に着手した。

手描き友禅の技法が可能にした融合

ありえないような柄の融合が実現したのは、彼女が身につけた技法が手描き友禅だったからだ。手描き友禅は、文字通り糊を手描きで布に描き、筆で色付けして染めていく。型染めと違い、絵画のように自由に柄を描くことができる。

「手描き友禅は筆で細かく色付けしていくため、型にはまらない表現が可能です」とequboさんは説明する。この自由度の高さが、伝統的な柄とハワイアン柄の融合を可能にした。

周囲の反応と転機

しかし、制作を進める中で、一部の先生からは厳しい言葉が飛んできた。「『これはちょっとどうなんだ?』と眉をひそめる先生もいました」とequboさんは当時を振り返る。

そんな中、後進の育成にも力を入れていた手描き友禅作家の香取正次郎さんが「面白いんじゃない」と背中を押してくれた。この一言に救われ、ハワイアン柄をテーマに作品を作り続けることを決意した。

この作品を作品展に出したところ、東京友禅学院賞を受賞。ハワイアン友禅が友禅として認められた瞬間だった。初めて作ったハワイアン友禅の作品で受賞したことは、彼女にとって大きな自信となった。

「ハワイアン友禅」という新しい表現の確立

この受賞を機に、equboさんは「ハワイアン友禅」という新しい表現を確立。伝統的な技法を守りながらも、現代の感性を取り入れた作品を生み出し続けている。彼女の挑戦は、着物業界の未来に新たな可能性を示すものとして注目されている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ