声優・渡辺久美子、ケロロ軍曹は「分身」 22年の変化語る
渡辺久美子、ケロロ軍曹は「分身」 22年の変化語る

声優の渡辺久美子が、16年ぶりの新作劇場版『新劇場版☆ケロロ軍曹 復活して速攻地球滅亡の危機であります!』(6月26日公開)のインタビューに応じ、ケロロ軍曹との22年にわたる関係性や役作りへの葛藤、自宅に置かれた等身大フィギュアとの日常などを語った。渡辺は「再会ではなく続きの感覚」と、ブランクを感じさせない小隊の絆を強調している。

「久しぶり」ではなく「おう!」という感覚

16年ぶりの新作劇場版について、渡辺は「率直に言うと、『久しぶり』というよりも『おう!』という感じ。1週間前も遊んだよね、みたいな感覚なので、自分の中では『再会』ではなく『続き』」と語る。収録現場では、ケロロ小隊のキャスト陣がすぐに以前の雰囲気を取り戻し、「何年経ったとか全然感じなかった」という。音響監督の鶴岡陽太から「始まるよ!マイクの前に集まって!」と言われる変わらぬわちゃわちゃ感があったと振り返る。

収録現場での印象的なエピソードとして、「やりすぎくらいが本当に丁度いい」と飛ばしすぎて止まらないキャスト陣の様子を挙げ、「急に大きい声を出すので、最初はミキサーさんの調整が大変だった」と笑う。一方、冬樹殿との感動的なシーンでは自然と静かになり、「そこはちゃんとやる」とメリハリのある演技を明かした。

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役作りの葛藤と「中毒性」へのこだわり

2004年のテレビアニメ開始時、ケロロ軍曹の役作りに苦労したという渡辺。「最初は自分の声が浮かばなかった。大体のキャラクターはすぐに『こういう感じでやろう』と浮かぶのに、ケロロだけはなかった」と打ち明ける。原作を読み、ドストライクでファンになったが、「好きになればなるほど演じるのが難しい。自分が一番のファンだからこそ、自分の声でいる自分を許せるかどうか、という感覚になった」と当時の葛藤を語る。

演技で最も意識したのは「中毒性」だと強調。「漫画を読み始めたら止まらないあの感覚と同じように、聞いていて中毒性のあるお芝居をしなければ、という思いが常にあった」と述べる。いい声でもかわいい声でもないが、「このキャラクターとこの声には一緒にいてもらいたい」と思わせることを目指した。今では「ケロロの方から『そんな緊張しなくていいから、適当、適当!』と肩を抱かれているような気がして、自然にシンクロしている」と語る。

声優人生への影響とかなった夢

『ケロロ軍曹』は渡辺の声優人生に大きな影響を与えた。「『やりたいことリスト』があったらほぼほぼやっている。普通の声優をやっていたら届かない領域まで経験させていただいた」と感謝する。具体的な夢として、プロレスファンである渡辺は「いつか後楽園ホールでマイクを持ってシャウトしたい」と思っていたが、それがケロロ役で実現。「デンジャラスKの川田利明さんに『アンタふざけんな!』とアドリブで言った。今思えば申し訳ないが、役のスイッチが入っていて、ものすごく気持ちよかった」と振り返る。

自宅玄関の等身大フィギュアと「分身」としてのケロロ

渡辺は自宅玄関に等身大(1分の1)のケロロ軍曹フィギュアを置いており、「元気なときも落ち込んだときも、玄関で『ただいま』と言うと、自分で『お帰りであります!』と声を当てる」と明かす。ケロロを「一番信用できる相手」と語り、かける言葉はいつも通りの「ただいま」だという。

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渡辺にとってケロロ軍曹を一言で表すと「癒やし」であり、「マトリョーシカみたいに自分の中にコアとしてある。役として見るというより、『もうここにいる』という分身のような感覚」と表現する。作品が長く愛される理由については、「中毒性とギャップ。地球丸ごと時間を止める恐ろしい宇宙人なのに、電子レンジをきれいに拭くコツを知っている。身近であり何億光年も遠い、何のカテゴリにも当てはまらないところが魅力」と分析する。

新劇場版の見どころとファンへのメッセージ

新劇場版で注目してほしいシーンとして、渡辺は「冬樹殿との相変わらずのイチャイチャ」と「新たな強敵にどう立ち向かうか」を挙げる。「いっそ『最後に侵略されて終わり』というエンドでもケロロらしくて面白い」と笑う。また、小隊以外のケロン人やペコポン側も含め、多くの「推しキャラクター」が登場し、「このセリフ待ってた!」というシーンや素晴らしいアクションがあると、ボリューム感をアピールする。

最後にファンへ向けて、「皆さんも宇宙人ですからね。自分も宇宙人だということは常に忘れずに、一緒になって侵略作戦で走り回ってくれればと思います」とメッセージを送り、「ぜひご覧くださいであります!」と締めくくった。