ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手と妻・真美子さんの間に第2子が誕生したニュースは、多くの祝福を集める一方で、ネット上では一部から「産まされた」「年子は計画的じゃない」といった批判の声が上がっている。コラムニストで人間関係コンサルタントの木村隆志氏は、こうした反応に強い違和感を示し、無自覚な加害行為がハラスメントに発展する危険性を指摘する。
「産まされた」という言葉が持つ暴力性
木村氏は、日ごろ人間関係の相談を受ける中で、「自分が被害者だと思っている人が、実は加害者にもなっているケースが意外に多い」と述べる。今回の大谷夫妻への批判も、「自分の考え方を守ろうとするあまり、面識のない夫妻を攻撃している」図式に見え、無自覚なまま加害者になっている可能性があるという。
「もし自分が会ったこともない他人から『産まされた』と言われたらどう感じるか。『やめてほしい』『ほっといて』と思うのではないか」と木村氏は問いかける。大谷夫妻にとって精神的な苦痛となる可能性のあるコメントは、ハラスメントに当たる恐れがあり、避けるべきだと警鐘を鳴らす。
有名人と自分を同一視する危険な感覚
木村氏によれば、ネット上で悪意の自覚なく批判する人々の共通点は、有名人と自分を同一視したがる感覚だという。仕事や生活環境が異なり、相手の人柄もよく知らないにもかかわらず、なぜ批判や余計な言葉を浴びせてしまうのか。
「価値観はそれぞれで、本人が選択したこと」という前提があるにもかかわらず、レッテルを貼るようなコメントをすること自体がハラスメントになり得ると木村氏は指摘する。特に「年子」という言葉で家族計画に口出しする行為は、プライバシーの侵害に当たる可能性が高い。
ネット社会の加害者意識の無自覚さ
今回の「年子論争」では、批判する側が「被害者ムーブ」をしているとの指摘もある。木村氏は「こんなに悩んでいるのだから自分は被害者で相手は加害者」と決めつける傾向が、ネット上で顕著になっていると分析する。
大谷選手は2023年12月に真美子さんとの結婚を発表し、2024年3月に第1子が誕生。約1年後の第2子誕生に、一部のネットユーザーが「計画的ではない」「真美子さんがかわいそう」などと批判した。しかし、木村氏は「本人たちが選択したことに対して、第三者がとやかく言う権利はない」と強調する。
まとめ:祝福の心が欠けたネットの風潮
大谷選手は今シーズン、投打で活躍を見せ、チームのワールドシリーズ制覇に貢献した。プライベートでも順風満帆に見えるが、その陰でネット上の無責任な批判にさらされている現実がある。
木村氏は「有名人だから何を言ってもいいわけではない。相手の気持ちを考えたコメントを心がけるべきだ」と締めくくった。



