登坂絵莉さん、女性アスリートの悩み語る 無月経や生理痛、誹謗中傷の実体験
登坂絵莉さん、女性アスリートの悩み語る 無月経や生理痛などの実体験

リオデジャネイロ五輪レスリング女子48キロ級金メダルの登坂絵莉さん(32)が、あらゆるハラスメントや誹謗中傷からアスリートを守り、競技に打ち込める環境づくりを目指すプロジェクト「RESPECTion!(リスペクション)」のアンバサダーに就任した。現役時代に直面した問題について、女性アスリートならではの目線から語った。

金メダルと家庭を手に 子供のころからの夢

子供のころからの夢は、五輪で金メダルを取ること、結婚して家庭を持つことだった。大学4年のころから1年半、無月経の時期があった。昔から定期的には来ていなかったが、減量しているときは月経が止まり、試合の計量を終えてご飯を食べたらその日のうちに月経が来るというサイクルがあった。それがパタッと来なくなって1年半。「どこかでない方が楽だという思いもちょっとありました」と振り返る。

しかし、「子供ができる体なのか」と不安に襲われ、代表コーチから婦人科の先生を紹介してもらった。数値に問題はなく、精神的なものだろうと言われ、安心した。実際、リオデジャネイロ五輪が終わって実家に帰った日に、1年半ぶりに月経が来たという。

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東京五輪の予選で負けたとき、このままレスリングをあと4年頑張るか、結婚・出産を選ぶのか悩んだ。無月経の期間があり、子供を持てるのか不安だったこともあったため、出産する道を優先した。「この判断に後悔はありません」と語る。

生理痛に「骨折でもないのに」 理解得られぬ現場

もともと生理痛が重く、今でも1日に鎮痛剤を3、4錠飲むこともある。生理痛は個人差があるが、生理痛がとても軽い女性の先輩が「骨折してるわけじゃないんだからやりなよ」と言っていたという声を耳にしたこともあり、理解を得るのは難しいと感じたという。

激しく動く競技のため、ナプキンだとどうしてもずれてしまい、気になってトイレに行くと、監督から「トイレばっかり行って、さぼっているのか」と言われることもあった。「ナプキンがずれて…」とは言いづらく、高校生のころは本当にストレスだった。試合のときはおなかは痛いし、ユニホームに漏れないか心配で、試合直前までトイレに行って最終確認をするというのは大きな負担だった。

「ツヨカワ女王」と呼ばれ、うれしかったけど…

試合で結果を残せるようになってくると、「ツヨカワ女王」という見出しをつけて報じてもらえるようになった。「かわいい」と言ってもらえるのはうれしかったが、レスリングは体の線がよく見えるシングレットを着用し、激しい動きの中でいろいろな体勢になるため、おもしろおかしく扱われることもあった。

ある日、ネット上の掲示板に自分の写真が貼られ、性的な表現がたくさん書かれているのを見たことがあり、本当に嫌な思いをしたのは今でも覚えている。

女性アスリートならではの悩みはさまざま。登坂さんは「私が話すことで少しでも皆さんに知ってもらい、競技の現場が変わっていってくれたら、と願っています」と話した。

登坂さんは1993年8月30日生まれ、32歳。富山県高岡市出身。至学館高を経て、至学館大2年だった2013年から世界選手権女子48キロ級で3連覇。16年リオデジャネイロ五輪同級金メダル。20年8月に総合格闘家の倉本一真と結婚し、21年8月に出産、22年4月に現役引退を発表した。

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