乃木坂46は9月29日・30日の2日間、東京体育館で『42ndSGアンダーライブ』を開催した。今回の出演メンバーは愛宕心響、伊藤理々杏、岡本姫奈、小川彩、奥田いろは、小津玲奈、海邉朱莉、金川紗耶、川端晃菜、黒見明香、柴田柚菜、鈴木佑捺、冨里奈央、長嶋凛桜の14人。座長を務めたのは、42ndシングル収録の最新アンダー曲「フォルテシモ」で自身初のアンダーセンターを務める小川だ。
小川彩のピアノで幕開け
開演前の岡本と長嶋による影アナを経て、ビジョンの映像に小川が登場し本を手に取ると、「OVERTURE」が流れ出しメンバーの姿が次々と映し出される。映像の中の小川が真っ白なページを閉じると、表紙には「Our Story」とタイトルが付けられていた。ステージではピアノの前に座った小川がおもむろにピアノを弾き始め、リリカルな鍵盤のタッチが響く中、「錆びたコンパス」でライブがスタートした。
小川の「感情を爆発させましょう!」の第一声から、メンバーがそれぞれひと言ずつメッセージを送ると「狼に口笛を」へ。伊藤が拡声器を手に「元気ですかー!?」と呼び掛け、4台のトロッコがアリーナを進む。岡本がセンターを務める「愛って羨ましい」では「Go get 'em girl!」の掛け声も飛び交い、金川がクールなダンスで牽引した「届かなくたって...」、緊張感漂う「自由の彼方」へと一気に駆け抜けた。
小川の決意表明とライブ前半戦
小川は「ここ東京体育館は、9年前に当時の先輩たちがアンダーライブの新たな歴史を築いた特別な場所です。先輩たちが魂をぶつけたこの場所で、今日は私たち14人の1人1人が1曲1曲に込めた想い、アンダーライブにかける想いを受け取ってもらえるように、そしてアンダーライブの可能性を、私たちの可能性を広げていけるように、今の私たちにしか作れないアンダーライブを作り上げていきたいと思います」と語った。
その後、小川が再びピアノを弾き「いつの日にか、あの歌を…」へ。ダイナミックな演奏に乗せて小津がセンターでソロダンスを見せた「純粋とは何か?」、黒見センターの「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」では客席が「Oi! Oi!」とコールで熱くなった。「別れ際、もっと好きになる」では冨里がドラマティックに歌い上げ、岡本センターの「マシンガンレイン」へと世界観が繋がった。鈴木が歌い出した「君は僕と会わない方がよかったのかな」は、伊藤、小川、奥田、海邉、柴田、冨里との7人でパフォーマンス。愛宕、岡本、小川、小津、金川、川端、黒見、長嶋の8人がトライバルなダンスを見せた川端センターの「Hard to say」へと続いた。
バスケコーナーやストリートライブ演出
激しいダンスに倒れ込んだ8人に6人が駆け寄って合流すると、柴田がバスケットボールをドリブルしながら登場。「『車道側』のMVでバスケ部キャプテンを務めた柴田柚菜です!」と挨拶し、ステージ上に設けられたバスケットゴールを使ったフリースローチャレンジのコーナーへ。柴田は初日に続き今日も見事に成功して拍手喝采となり、続いて挑んだ金川もシュートを決めた。しかし、お客さんに失敗したときの罰ゲームを見せていないことから「このままで終われない!」と、最終的に急遽柴田がチャレンジすることに。惜しくもシュートを外し、代わりに罰ゲームを受けることとなった小川が、「チートデイ」に出てくるフレーズを捩り「もう、私が謝ればいいんでしょ?ごめんなさいね」と“逆ギレ謝罪”を見せて大歓声を受けた。
続いて、伊藤の「今回のアンダーライブ、ストリートな雰囲気でお送りしてきているんですが、ダンス、そしてバスケと、あともう一個なんかあった気がするんだけどなあ…」との言葉に呼応して奥田がアコースティックギターをかき鳴らして登場。「風船は生きている」がスペシャルバージョンで披露され、奥田がギターを弾き、小川は巨大なゴミ箱をスティックで叩き、オーディエンスはクラップして盛り上がった。曲が終わると、金川が「これ、いろはのじゃない?」とピックを拾い、奥田が受け取ると「落とし物」がスタート。しかし奥田は「ストップ!ストップ!こんなノリでやる曲じゃないんですよ!ここだっていう時にやらせてください」と曲を止めて、ライブは後半戦へ。
後半戦からクライマックスへ
伊藤センターの「車道側」、柴田センターの「交感神経優位」ではメンバーがステージに大きく広がって歌う。「ブランコ」では長嶋が重心の低いリズムに合わせて声を震わせ、「思い出が止まらなくなる」では愛宕、「不道徳な夏」では金川、「誰よりそばにいたい」では見事なアカペラで喝采を集めた海邉がそれぞれセンターで魅力を発揮した。
メンバーがそれぞれの思いを語った映像に続き、「これは、私たちの物語」とのナレーションを受けて、小川がピアノを弾きながら歌い出したのは「アンダー」。白と黒を基調とした衣装にチェンジしたメンバーたちは直立して真摯に歌い上げた。「ここにいる理由」、「Under's Love」、「踏んでしまった」と続けてライブはクライマックスに。ライブ全体で合間のMCも少なく、とにかく歌とダンスパフォーマンスで魅せようという意思が感じられた。
アンコールと小川の最後の挨拶
「日常」が飛び出すと、東京体育館はブルーのペンライトに染まり、14人を客席からのコールが後押しする。「みんなまだまだ限界までいけますか?いや、限界超えられますか?もっともっといけますか?もっとぶち上げいくぞ!」と叫んだ小川が、続く「是非に及ばず」も連続してセンターで歌唱。さらに「最後の曲です!一緒に歌ってください!」と「フォルテシモ」へ。ステージは煌びやかな灯りがともり、強くしなやかにパフォーマンスしてみせた。
アンコールは「チートデイ」でスタート。トロッコがアリーナを周り、小川が罰ゲームとは真逆の正調な「ごめんなさい」を放つと大歓声。「ロマンスのスタート」から、奥田が「やっとこのときが来ましたね!」と満を持して「落とし物」が披露され、シリアスでストイックな表現に惹きつけられた。
愛宕がMCを務め、鈴木に感想を訊くと「今回のセトリが結構、踊り続けるセットリストだったんですけど、私、中学生のときにソーラン節を踊る“ソーラン隊”だったんですよ」と初めての告白。メンバーからのリクエストに応えて、客席からの「どっこいしょ〜、どっこいしょ!」の掛け声に合わせてソーラン節を踊り、拍手喝采となった。冨里は「セットのストリートの感じがすごく可愛くて、大変だったけど達成感もあってすごく楽しかったなって思います」と感想を述べ、「今回私、6期生のみんなとアンダーライブに出るのが初めてだったんだけど、みんなの熱量がすごくて、リハーサルのときからみんなすごく全力だし、このアンダーライブにかける思いみたいなものもすごい伝わってきたから、私も負けてらんないぞと思って、すごい刺激された」とライブに臨んだ気持ちを明かした。
そして小川が最後のあいさつへ。「昨日今日と2日間アンダーライブをやって、改めて私は本当にライブが大好きだなと思いました。42枚目シングルのこの期間、「フォルテシモ」という“とても強く”っていう意味の曲にもあるように、もっと強くなるぞっていう目標を持って活動していました。強くなるってことは、どんなときでも1人で立ち続けることじゃなくて、自分の弱さを認めることも、誰かに頼ることも強さなんだと思います。そして、支えてもらった分、私も誰かのことを支えられるような人になりたいし、そういう強さを私は持ちたいとずっと思っていました。自分の弱さを認めるっていうことは、私にとってはなかなか簡単なことじゃなくて……」と語ると、言葉につまる小川に励ましの声援が飛ぶ。
「私の周りにはいつも優しく背中を押してくれる先輩がいて、どんなときも一緒に乗り越えてくれる同期がいて、こんな私のことを頼ってくれる後輩がいて。悩んでいるときには一緒に立ち止まって一緒に考えてくれるスタッフさんがいて、そしてどんな私でも受けとめて応援してくださるファンのみなさんがいてくれました。みなさんのおかげで、私は自分の弱さを認める強さの一歩を踏み出せたと思います。これからその強さを持ちながら、乃木坂の新しい歴史を切り開いて、その先頭に立つ人に、私はなります。みなさん、これからも私たち14人、そして乃木坂46の応援をよろしくお願いします。ありがとうございました」。言葉を絞り出すようにそう伝えた小川に、万雷の拍手が寄せられた。最後に歌われたのは「乃木坂の詩」。場内が紫色で埋め尽くされる中、14人の物語で紡いだ『42ndSGアンダーライブ』は大団円となった。