西山潤、『VIVANT』シーズン2で熊谷の“無双状態”を体現「ストレスを与え続けた」
西山潤、『VIVANT』S2で熊谷の無双状態を体現「ストレス与え続けた」

TBS系日曜劇場『VIVANT』第2シーズン(毎週日曜21:00~)で、主人公・乃木憂助(堺雅人)らが所属する自衛隊直轄の非公認組織「別班」の一員・熊谷一輝を演じる西山潤。第1シーズンに続いて本作に参加し、“中国の別班”「シンシー」に拉致・拘束され、過酷な状況に置かれる熊谷の強さをどう表現したのか。堺や黒須駿役の松坂桃李との共演秘話、日曜劇場『ドラゴン桜』以来の共演となった西垣匠とのエピソードも交えて、別班員たちの知られざる内側に迫った。

「弱さを見せない」別班員として抱え込んだストレス

第2シーズンへの出演を正式に知ったのは2024年の秋頃だったという。「噂は聞いていたんですけど、マネージャーさんと共有しているカレンダーを見たら、2025年の10月にアゼルバイジャンの国旗が3週間くらい入っていて(笑)」。大筋として「別班員がさらわれて、それを助けに行く話」だと聞き、「今回もまた大変そうだな」と予感した。拷問のシーンや特殊メイクがあると聞き、「すごそうだな」と思いながら楽しみにしていたそうだ。

熊谷を演じる上で特に意識したのは、別班という存在が“最強”であり、絶対に弱さを見せないこと。「拷問されてもしゃべらない。精神的にどれだけ追い詰められても口を割らない」と語る。シュウ・ハオラン(周浩然/リンリン)のセリフ「年長の高田(明敏)、若い熊谷は既に死を覚悟している、無双状態だ」という言葉にも触れ、「普通に生活していたら得られない感覚ですよね」と述懐した。

「“無”になって何も感じなくするというより、自分にストレスを与え続けました。特殊メイクも重くて、目も見えづらいし、口も開けづらい。足かせも痛い。それを避けずに、『痛い』『嫌だ』『イラッとする』という感覚を全部自分の中にため込んで、それでも表には出さない。ただ無表情でいるのではなく、全部抱えた上で出さない。その一瞬の表情だけでも『別班ってやべえな』と伝わったらいいなと思っていました」と明かした。

乃木を察知した“一瞬”にも別班員としての物語が

第20話で乃木が救出に現れたときの別班員たちの表情について、西山は「僕もリアルタイムで見て、あのシーンは泣いちゃいました。ずっと無表情を貫いてきた別班員たちが、あの瞬間だけ『仲間が来た!』という顔になる。自分たちが撮影現場で作ったものを、完成した作品が超えてきたような感じがして、すごく感動しました」と振り返る。

乃木から「熊谷」と呼ばれた時の「はい」はアドリブだったといい、「台本ではかなり弱っている状態だったんですけど、僕はあくまで別班員として返したいと思って」と説明。熊谷は30歳という若い別班員で、自身も実年齢が近いことから「若いけれども別班員”“別班員だけれども若い”という、その両方を等身大で考えました」と語った。

「乃木さんが姿を現す前から、別班員なら何かを察知しているはずなんです。いつもの足音と人数が違う。それに火薬の匂いもするはず。『何かが起きている』『乃木さんである確率は何パーセントだろう』『別の誰かかもしれない』と考えながら、最後に声を聞いて確信する」と、演技の裏側を明かした。実際の撮影は逆光で真っ暗で「本当に何も見えなかったんです(笑)」という。

松坂桃李のブレない演技に感化 西垣匠との再会も

堺雅人については、「背中で引っ張るというより、“お芝居で引っ張っていく”方」と評する。「撮影現場でも全くミスをしないし、どんな言語のセリフであっても一発で決めてくる。『VIVANT』ってロケ地の都合もあって、物語をかなり行き来しながら撮影するんです。乃木だったりFだったり、リュウ・ミンシュエン(劉銘軒・堺/三役)だったり、いろいろなシーンが前後する中でも、堺さんのお芝居はまったくブレない」と称賛した。

松坂桃李とは同郷で、撮影の休みの日に別班のメンバーで射撃場へ遊びに行ったり、ご飯に行ったりしたそう。「お芝居では、やっぱり“別班らしさ”がブレない。『こいつはシュウ』『こいつはリー』ってシンシーのメンバーを一人一人確認する、心の声のトーン一つとっても、僕だったらもっと軽くなってしまうかもしれないところを、すごく重く、肝が据わった感じで演じてみせる。もう、お芝居というより完全に“据わっている”んですよね。もっとがっつり共演したいなって、心の底から思いました」と語った。

第19話では、『ドラゴン桜』で共演した西垣匠が、黒須の弟・翼に扮した特殊作戦群の隊員としてサプライズ出演。西山は出演を知っていたといい、衣装合わせの時に会えたそう。「『おう、頑張れよ!』みたいな感じで、ちょっと先輩面しました(笑)。西垣は少し緊張してましたね」と振り返る。「『ドラゴン桜』からもう5年ですし、こういう形でまた同じ作品に関われたのはうれしかったです。今回は、西垣が特殊作戦群の隊員として僕たち別班員を助ける側にいる。直接会うわけではないけれど、作品の中ではつながっている。それもなんか別班らしいじゃないですか。役者としてもすごく励みになりました」と喜びを語った。

「俺、これ言いたかった!」市川笑三郎演じる高田に刺激

別班員たちの芝居に刺激を受けた場面として、第21話で市川笑三郎演じる高田がシュウに向かって中国語で長いセリフを言うシーンを挙げた。「後ろで聞いていて、『うわ、やられた!』と思いました。めちゃくちゃ先輩かっこいいなって。同じ別班員として、代表して言ってくれた言葉だからうれしい。でも役者としては、『俺、これ言いたかったな』ってとても悔しかったです(笑)」と述懐。

「感情を大きく出さずに淡々とものすごく怖いことを言うんですよね。あのバスのシーンは、高田さんの言葉で締まったなと思いました」と称賛した。笑三郎とは「放送、楽しみですね」と連絡を取り合っていたそうだ。

西山が感じる『VIVANT』らしさは「やっぱりメリハリと気持ち良さ」だという。「監督が『こういうものを撮りたい』『こういうキャラクターを演じてほしい』と示してくださるものを信じて、僕たちは付いていく。カメラ割りもそうですし、お芝居のテンポも、画も、全部がパキパキしている。顔の寄りがあって、何かあれば手元を映して、音楽がかかったら鳥肌が立つ。すごく見応えがあるんです。例えるなら、すごく濃いジャンクフードを食べたような、大きいステーキを丸かじりしているような(笑)。そういう豪快さがあるのが『VIVANT』だと思います」と表現した。

視聴者へのメッセージとして、「考察をしながら楽しんでいただくのも、もちろんうれしいです。でも、乃木さんのジェットコースターにお客さんとして乗っているような感覚で、目の前で起きていることをそのまま受け取るのも、一つの楽しみ方だと思っています。ここからまた話がガラッと変わっていくので、見ている皆さんももう一度ふんどしを締め直して(笑)、気を抜かずにジェットコースターの先頭に乗って楽しんでいただきたいです!」と呼びかけた。

熊谷たちが過酷な拷問を受けるシーンで施された特殊メイクの様子は、「VIVANT-Adventure Log-」(TVer)の「V_Log#17」で見ることができる。スピンオフ企画の「VIVANT-Adventure Log-」はTVerで、「ドラム―VIVANT THE ORIGIN STORY―」、「チンギス―VIVANT THE ORIGIN STORY―」はU-NEXTでそれぞれ独占配信中。「VIVANT IMMERSIVE MISSION」はCREATIVE MUSEUM TOKYOにて開催中だ。