有田焼の伝統と革新、十四代今泉今右衛門さんが切り開く新境地
有田焼の伝統と革新、十四代今泉今右衛門さん

佐賀県有田町の陶芸家で、人間国宝の十四代今泉今右衛門さん(63)は、江戸時代から続く有田焼の技法を受け継ぐ一方で、新たな発想を取り入れた作風を生み出し、色絵磁器の世界を切り開いている。伝統を踏まえつつ、時代の価値観に合った美への探究心は尽きない。

デザインを大切にする作業場

日本の磁器発祥の地・有田。多くの窯元が軒を連ねる通り沿いに築約200年の日本家屋がある。歴代の今右衛門が住んできた母屋の2階。素焼きのつぼや皿に囲まれた畳部屋の文机で、皿に木炭を走らせていた。「全ての作品はこうやってデザインをしながら文様を決めていく。ここは一番大切な場所なんです」と静かに語った。

伝統と革新の歴史

400年以上の歴史を持つ有田焼。色絵磁器の一種「色鍋島」は将軍家への献上品などとして佐賀藩窯でつくられた。今泉家は代々、絵付け専門の御用赤絵師を務めた。藩の保護がなくなった明治以降は一貫生産に乗り出し、最高峰とされる作品を生み出した。その家の次男に生まれ、39歳で十四代を襲名した。

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最年少での人間国宝認定

2014年、51歳で陶芸分野では最年少の人間国宝(色絵磁器)に。十三代の父が認定されたのは63歳の時だった。文化庁の担当者からの打診に当初、困惑した。後に「昔の技術を今に伝えているだけでは人間国宝にならない。新しい概念や仕事を加えたことに対する評価です」と説明され、光栄に感じた。

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