絵本「あらしのよるに」を浪曲に 真山隼人さん「2匹の絆は浪花節」 10月に大阪で披露
絵本「あらしのよるに」を浪曲に 真山隼人さん、10月大阪で披露

浪曲師の真山隼人さんが、オオカミとヤギの友情を描いた人気絵本「あらしのよるに」を浪曲にした。食うものと食われるものという関係を超えた絆を育む2匹の物語について、真山さんは「義理人情が盛り込まれていて、浪花節的だ」と感じたという。伴奏の三味線を弾く曲師の沢村さくらさんとともに「大人にも子どもにも楽しんでもらいたい」と話す。

物語の概要と浪曲化の経緯

「あらしのよるに」(作・きむらゆういち、絵・あべ弘士)は、嵐が吹き荒れる夜、小屋の中で偶然出会ったオオカミのガブとヤギのメイが心を通わせ仲良くなるストーリー。1994年に第1巻が刊行され、本編は全7巻ある。歌舞伎やアニメ映画にもなった。

真山さんは2024年以降、漫画「じゃりン子チエ」や小説「巷説百物語」を題材にした新作に挑んでいる。今回の絵本の浪曲化もその取り組みの一つで、書評家の杉江松恋さんが出版元の講談社と真山さんを仲介し、実現した。

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台本の内容と公演への思い

台本は本編を踏まえて真山さんが執筆し、前後半計90分にまとめた。友だちになったガブとメイはそれぞれの群れの仲間から非難され、群れを離れる決心をする。「かわいい絵本なのに、俠客的な側面や忠臣蔵的な部分がある。種族の違い、ジェンダーなどのテーマも含まれていて、いろいろな人に届く作品だと思う」と語る。

2匹が真っ暗な小屋の中で会話を交わす場面では、真山さんが「公演会場を暗くしたら雰囲気が出るかも」とアイデアを膨らませれば、さくらさんも「あえて無音にしたり、高い音と低い音を弾き分けたりして、緩急をつけられれば」と考えている。

絵本の世界観を話芸で表現

絵本の世界観を話芸で表現することについて、真山さんは「絵がなく、お客さんに想像してもらう芸だからこそ、ヤギとオオカミの関係にとどまらない、深く普遍的なものを表現したい」と強調する。「人と人、自分と誰かの関係を考えてもらうところまで描ければ成功かな、と思います」

浪曲「あらしのよるに」は10月18日午後2時、大阪市中央区の山本能楽堂で。問い合わせは電話090・7869・1309。

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