マンガ家・織田博子さんがインド北西部ラジャスタン州の城塞都市ジャイサルメール郊外に広がるタール砂漠を2泊3日で旅した体験を漫画で紹介している。
昼は40度超え、夜は0度近くの砂漠
旅の間は、太陽が昇るとラクダで移動を始め、昼頃には暑さで移動できなくなり日陰で昼寝をする。太陽が沈むと何も見えなくなるため、旅案内のおじちゃんが砂漠に赤いじゅうたんを敷き、そこで寝るという生活だった。
砂漠は昼間は気温40度を超え、汗をかいた瞬間に蒸発する。一方、太陽が沈むと気温は急に下がり、0度近くになる。水分が極端に乏しいため、熱が大気中に放出されてしまうからだ。ショールで体をくるんでも震えが止まらず、最初の晩は熟睡できなかった。
ラクダの生態と砂漠の装い
砂漠には道がないように見えるが、ラクダを引くおじちゃんとラクダには見える道があるらしい。稜線を歩きながら、時折トゲの生えた高さ80センチほどの植物「ラクダ草」をラクダが食べる。ラクダは口を血まみれにして食事をし、食べたものを反芻するためかげっぷが異様に臭く、求愛行動と思われる行動も見せた。
ジャイサルメールで買った大きなショールを頭からかぶると、日差しから頭皮を守れ、髪に砂がつかない。街で買った「アラジンと魔法のランプ」に出てくるようなパンツは、たっぷりとした布が空気を含むため、昼は涼しく夜は暖かいという。砂漠で女性が全身をショールで覆う理由が体感できたとしている。
砂漠で振る舞われたチキンカレー
太陽が沈むと夕飯の時間。おじちゃんの友達のような人が「チキンカレーを食べたくないか? 500ルピー(当時800円くらい)だけど」と持ちかけてきた。「食べたい」と言うと、群れの中で一番獰猛なラクダにまたがり、近くの村へ走っていった。戻ってきたおじちゃんは生きている茶色い鶏を持ってきて、捌く前に鶏を抱いて少し歩いた。鶏はとても痩せていて、温かかった。
あっけなく鶏は調理され、チキンカレーが出来上がった。チャパティと呼ばれる平らなパンにカレーを吸わせて食べる。素朴なパンとかたい鶏肉。満天の星空の下、日本からずいぶん遠くに来たんだと感じたという。