人気漫画『ドラゴン桜』のタイトルは、当初『東大へ行こう』という案だった。編集者の佐渡島庸平氏(コルク社長)が明かしたところによると、このタイトルは「面白そうな印象がなかった」ため、著者の三田紀房氏との話し合いを経て『ドラゴン桜』に変更されたという。
印象に残るタイトルを追求
佐渡島氏は、編集者としての感想は作家との「コミュニケーション」が目的だと語る。「面白い」「良かった」だけでは創作を前に進める力になりにくく、感想は作家に違う視点を差し出す鏡であり、売上を上げるためのフィードバックでもあるという。
佐渡島氏は、作家の原稿が上がってきたら、どんな原稿でも「面白い」という前提で読むようにしている。完成した原稿には作家の熱意が詰まっており、その熱を読み解ければどんな原稿も面白いと感じられる。そして、その面白さを多くの人に伝わる表現方法に改善できればヒットすると述べている。
編集者のフィードバックの4つの要素
佐渡島氏は、雑談に見える自身の感想は実は「要約」「印象」「意図」「マーケット」の4つしか言っていないと説明する。この4つを言葉や組み合わせを変えながら、作家が腑に落ちるまで話し続けるという。この順番で感想を組み立てることで、伝えるべき内容が自然と整理され、打ち合わせの軸がぶれにくくなる。また、型として定着すれば自分の思考の偏りに気づくチェックリストにもなると述べている。
本稿では、そのうちの「印象」に焦点を当てて詳しく解説している。
タイトル変更の決め手
『東大へ行こう』というタイトルは、内容をストレートに表しているが、印象に残りにくいと判断された。一方、『ドラゴン桜』は「ドラゴン」という強いイメージと「桜」という日本的な美しさを組み合わせ、読者の記憶に残るタイトルとして選ばれた。佐渡島氏は、直感こそがヒットの芽になると強調している。
このエピソードは、佐渡島庸平氏の著書『編集者のフィードバック』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものである。



