車椅子のロックバンド、木村俊夫さんが初ワンマンライブ 事故から24年
車椅子のロックバンド、木村俊夫さん初ワンマン

バイク事故で頸髄(けいずい)を損傷し、車椅子でバンド活動を続ける木村俊夫さん(53)らのロックバンド「1040_」(テンフォーティ)が今月、アルバムリリースを記念したワンマンライブを仙台市内で初めて実現させた。事故から24年。「諦めないで本当に良かった。みんなも生きて障害や病気、年齢関係なくやりたいことをやってほしい」。詰めかけた観客を前にそう呼びかけ、歌声を響かせた。

事故から音楽への執念

木村さんはプロのミュージシャンを目指していた29歳の夏、仙台市若林区内でバイクの単独事故を起こし、肩から下が動かなくなった。食事や入浴、排せつを自分だけでこなせない日々が始まったが、15歳の頃から続けた音楽を支えに2020年、姉や仲間とともにロックバンドを結成。同市中心部の音楽イベントに出演し、昨年11月に念願のアルバムをリリースした。

ワンマンライブで14曲披露

ライブは11日に行われ、事故直後の入院中に作詞した「リバース」や、「優生思想」に対する恐怖や怒りをつづった「19(nineteen)」などのオリジナル曲を中心に14曲を披露。作曲も担うギターの西城健太郎さん(46)は曲の合間のMCで「(木村さんが)一生懸命歌っている姿を見た時、自分の悩みをくだらないなと思えた。俺みたいな人を作りたかった」とバンドを結成した理由を明かした。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

車椅子が出入りできるライブ会場は限られているが、今回は、姉の知人が勤める仙台スクールオブミュージック&ダンス専門学校(仙台市若林区)の協力で実現し、約20人の学生が音響や照明、チラシやチケット制作などを担った。

同校3年の女子生徒(21)は、車椅子の観客らが入れるように座席を配置し、木村さんの負担にならないようにスモークの量や照明の強さを調整したとし、「新たな視点のライブ運営が経験できた。誰もが楽しめるのが音楽なので今後に生かしたい」と手応えを語った。

支えた人々の思い

木村さんをサポートしてきた訪問介護事業所「ゆいの声」(仙台市青葉区)の女性管理者(61)も会場を訪れ、「私たちの仕事も大変なことが多いけど、ライブを見てやって良かったなと思えた。木村君の人生に関われたことに感謝です」と話した。

2時間超のライブを歌い上げた木村さんは「事故から20年以上かかったが、目標だったワンマンライブでお世話になった人に感謝の気持ちを伝えたかった」と笑顔。「障害のある人も当たり前に音楽を楽しめるライブ会場が増えてほしい」と願いを込めた。テンフォーティの楽曲は、音楽サイト「Bandcamp」で再生できる。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ