宝島社が発売した『ぜんぶホンモノ! キラッと輝く! 世界の宝石発掘BOOK』(税込990円)が、発売直後に完売するほどの人気を博している。この商品は、本とともに本物の宝石が封入されたパッケージで、ダイヤモンドが当たる確率は33分の1という仕掛けだ。経済ジャーナリストで経営コンサルタントの高井尚之氏は、このヒットの背景について「推奨買いに慣れた現代消費者の心に刺さった」と分析する。
宝島トイズの新戦略
宝島社は「宝島トイズ」ブランドでグッズ事業を強化している。今年6月からはカプセルトイ事業も開始し、第一弾として『CUTiE(キューティー)豆本』と『Cher(シェル)ミニトートバッグキーホルダー』(各500円)を投入した。開発局の清水氏は「『CUTiE』は1989~2015年に発行されたストリート雑誌で、隔週50万部超を誇った。『Cher』は2000年代に裏原宿発で流行したブランドで、当社のファッション誌『sweet』の付録として大ヒットした」と説明する。
懐かしさが心理的フックに
清水氏は「電車内とドラッグストアで2日連続、『Cher』の付録バッグを持つ女性を見かけた。この懐かしさが平成カルチャーのリバイバルや、大人がカプセルトイを回す心理につながると考えた」と語る。こうしたノスタルジーが、現代の消費行動にマッチしているという。
リアル体験との連動
今後はパックガチャでも新たな試みを計画。清水氏は「現在は『買う体験』を重視しているが、今後は『リアルな体験』と連動させる。例えば『爬虫類BOOK』の当たり券で、後日巨大なワニのフィギュアが自宅に届くといった驚きを提供する。女の子向けならファッションイベントや特別体験への招待も考えられる」と展望を語る。
不確実性が生む期待感
パックガチャもカプセルトイも、何が出るかわからない期待感が消費者を惹きつける。宝島社はこうした仕掛けで消費者を楽しませつつ、自社の再生に向けて「大ヒットの鉱脈」を発掘しようとしている。



