『ザ・ノンフィクション』花火師の若者たち1年密着、プロポーズの瞬間も
『ザ・ノンフィクション』花火師の若者たち1年密着、プロポーズの瞬間も

フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)は16日、茨城県つくば市の老舗・山崎煙火製造所を舞台に、異業種から花火師の世界へ飛び込んだ若者たちの1年を追った「花火師になりたくて~僕と私が打ち上げる夢~前編」を放送した。23日には後編が放送される。

門前払いの末に出会った、若手が集まる花火会社

鳥居稔太ディレクター(テレビマンユニオン)は、花火は夏のものというイメージや、職人の世界は寡黙で「背中を見て覚えろ」という厳しい世界という先入観を持って取材を始めたが、約1年にわたり花火師たちの日常に入り込む中で、その先入観を次々と覆されていったという。

昨年6月頃から関東近郊の花火会社へ次々と電話をかけて取材を試みた鳥居Dだったが、夏の花火大会シーズンを前に最も忙しい時期だけに門前払いが続き、なかなか取材先が見つからなかった。そんな中で取り合ってくれたのが、明治36年創業の老舗・山崎煙火製造所。「手紙を書いたら、“じゃあ一回来てみてください”と応じてくださいました」という。

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実際に訪れて、まず驚いたのは若手の多さだった。40代以上しか在籍していない花火会社も多い中で、ここまで若手がいる会社は珍しいという。競技大会で数々の賞を取る実績から、「せっかく花火師になるなら名門で腕を磨きたい」と目指してくる若者もいるそうだ。

“職人の世界”特有の風土があると思いきや、異色の経歴を持つ新人も温かく受け入れられ、職場にはどこか家族的な空気があった

「皆さん職人なので、そんなに撮られたくないのかなと思っていたのですが、作業中にも気さくにしゃべりかけてくれたりするんです。会社のオリジナルTシャツを作ったり、みんなで一緒にやっている感じがあります」と、その雰囲気を説明する。

指導方法も「背中を見て覚えろ」ではなく丁寧に行われており、今回取材した新人たちの中で、辞めた人は1人もいないという。

もちろん、優しいだけの世界ではない。火薬を扱う以上、危険な行為にはきちんと注意が飛ぶ。撮影でも通常は入れない場所までカメラを入れさせてもらったが、安全には細心の注意を払い、色の配合など企業秘密に当たる部分にはカメラを向けないなど、厳格なルールの中で取材を進めていった。

25発の花火でプロポーズ、密着中に訪れた人生の転機

取材が始まったのは2025年7月。そこから約1年間、若手職人たちの変化を見続けてきた。当初の映像と現在を比べると、「どんどん頼もしくなってるように見えますね」といい、顔つきや立ち居振る舞いの成長からも、1年間の積み重ねを感じた。

中でも当初、鳥居Dが心配していたのが、和歌山からやってきたれおんさん。「最初は肌も白くてスラッとしてて、“これからやっていけるかな”と思ったのですが、今はすっかり日に焼けてなじんでいます」と、その変化に驚く。

「一人でコツコツ仕事をするタイプ」という元看護師で社内唯一の女性花火師・飯野さんは、男性ばかりの職場で積極的になれず悩みながらも、丁寧なマニュアル作りや後輩への指導を重ねて、周囲から頼られる存在に成長した。

1年という密着期間では、仕事の姿だけでなく、人生が動く瞬間に居合わせることも。今回、その象徴となったのが、元YouTuberのよしきさんだ。先輩たちの力も借りて25発のサプライズ花火を打ち上げ、恋人にプロポーズするという一世一代の大勝負に出る。

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取材を始めた時には想像もしなかった展開に、鳥居Dは「花火師の方にしかできないことですよね」と、この職業だからこそ生まれた人生の一場面に立ち会えたことを喜んだ。

山崎煙火製造所には若者たちが志願してくるが、業界全体では人手不足が続いているのだそう。鳥居Dは「プロ野球選手のように仕事の内容が広く認知されていないことも大きいと思うので、今回の番組を通して、花火師を目指したくなる若い人が増えたらいいなと思います」と期待を込めた。