「突然いらしてあれこれ質問して、なのに、こちらの質問にはこたえてもらえない。そいつは、通りませんよね」
「刑事がヤクザの質問にこたえる義理はない」
「まさか、このまま帰るなどとはおっしゃらないでしょうね」
日村は少しだけ凄んでみた。たちまち虚勢がはがれ落ち、仙川係長は及び腰になった。
仙川係長の弱気
「俺は帰りたいときに帰る」
「甘糟さんに何か変化があったので、俺たちのところにいらした。そういうことでしょう?」
仙川係長は、しばらく逡巡した後に言った。
甘糟の提案
「甘糟のやつ、三橋の件を調べ直してはどうか、なんて言い出したんだ」
稔とテツが顔を見合わせた。それを視界の隅で捉えつつ、日村は表情を変えまいとしていた。



