多部未華子が演じる二役の魅力
俳優・多部未華子の“独自の魅力”に迫る。WOWOWのドラマ『クロエマ』で、多部は双子の姉妹クロエとエマの二役を演じている。原作者の海野つなみは取材で「どちらがクロエでもエマでもあり得ると思った」と語り、多部と共演の岸井ゆきのが役に溶け込み、俳優の顔が出すぎないことを評価した。
物語の構造とパフェの役割
『クロエマ』の物語には捻りがある。占いの店を訪れる相談者の悩みは必ずしも解決されず、エピソードは終わる。その代わりに毎回登場するのがパフェだ。クロエが経営する純喫茶「パリ」の2代目マスター・シモン(岩瀬洋志)が作る本格パフェを、エマとクロエが美味しそうに食べるシーンでドラマは締めくくられる。
多部未華子の作品への思い
多部はこう話す。「この物語は特に正解を導くものではありません。こういう考えの人もいる、じゃあパフェ食べよう。人生いろいろあるよね、私もいろいろあった、じゃあパフェ食べよう。そんな風に答えを求めずに、自分たちがどう生きていったら自分が納得する毎日を過ごせるのかっていうことを、ぼんやり考えるドラマだなって思っています」。この言葉が作品の空気をそのまま言い表している。
平成黄金世代との比較
多部未華子は新垣結衣(透明感)、戸田恵梨香(華)らと並び、平成黄金世代と呼ばれる。その中で多部の武器は、役に完全に没入し、自身の俳優としての顔を消すことだ。『クロエマ』は『逃げ恥』ほどの社会現象にはなっていないが、刺さる人には深く刺さる良作である。この作品を見終えたとき、多部未華子という俳優の「今」を、誰もが少し更新することになるだろう。



