「同伴じゃなくて普通にごはん」と言うおじさん
銀座のクラブに勤務する筆者が、夜の街に出没する「ちょっと残念なおじさん」を紹介する連載。今回取り上げるのは、「それじゃあ他の客と同じじゃん(笑)」と言い出すタイプだ。
「同伴」とは何か
ホステスとゲストが営業開始前にお店の外で待ち合わせ、食事やショッピングを楽しむことを「同伴」と呼ぶ。これにより、お店の外で親密な時間を過ごし、特別な関係を築くことができる。銀座などの社交の場では、営業日にホステスを食事に誘う場合、原則として「同伴」とみなされるのが暗黙のルールだ。
しかし中には、「同伴じゃなくて普通にごはん行こうよ」「同伴?いやいや、デートでしょ」「お店には行かないよ」などと言ってホステスを困らせる男性がいる。「だって、それじゃあ他の客と同じじゃん(笑)」というのがその言い分だ。
身も蓋もない現実
筆者は率直に語る。同伴はその日の売上の確約でもある。ホステスのギャラは1カ月の売上で上下し、売上は命だ。当然、誰もがギャラ、つまりお金のために働いている。仕事は仕事であり、遊びでもボランティアでもない。「同伴じゃなくて普通にごはん行こうよ」などがまかり通ると非常に困る。
「他の客と同じ」の矛盾
筆者がさらに引っかかるのは、「だって、それじゃあ他の客と同じじゃん(笑)」という発言だ。食事をしてそのまま同伴するのは他の客と同じで、それでは「特別な男」になれないと言いたいのかもしれない。しかし、そういう彼自身も「同伴じゃなくて普通にごはん行こうよ」と変なジャブを打ってホステスを困らせるその他大勢の迷惑おじさんと何ら変わらない。このタイプのおじさんは残念ながら多く、全く特別ではない。
同伴して楽しくお酒を飲み、次の同伴の約束もして帰る超スーパーウルトラハイパーミラクル素敵なお客様として彼女の心に刻まれるか、「同伴じゃなくて普通にごはん行こうよ」と打診して苦笑いされる迷惑おじさんとして記憶されるか。どちらが良いかは考えるまでもない。
働いているという認識
筆者は最後にこう問いかける。美容師に「お金は出せないけど普通に髪切ってよ」と言えば怒られることは誰でもわかる。それなのに、お金で買ったはずの女とは無料でデートしないといけないと思い込むおじさんがいる。私たちは働いていないと思われているのだろうか。
漫画: ひえじまゆりこ



