俳優の佐藤二朗が、フジテレビ系ドラマ「夫婦別姓刑事」の撮影現場で、ダブル主演を務めた橋本愛に対してハラスメント行為を行ったことが「週刊文春」で報じられ、波紋を広げている。現時点では複数の当事者の主張が食い違っており、第三者が現場で起きたことの全貌を断定できる段階ではないが、まずは冷静に状況を整理する必要がある。
発端はアドリブでの接触
「週刊文春」の記事によれば、撮影中に佐藤がアドリブで橋本の顎を手で触ったことが騒動の発端として描かれている。橋本には過去に受けたハラスメントによる心理的な事情があり、身体接触に一定の制限を設けていた。橋本の所属事務所はドラマのプロデューサーに事前にそのことを伝えていたが、プロデューサーと佐藤のマネージャーが話し合った結果、佐藤本人にはそのことを伝えなかった。つまり、前述のアドリブの時点では、佐藤は橋本側の事情を知らなかった。
佐藤の橋本への批判と楽屋での出来事
その後、佐藤はプロデューサーからその話を聞かされた。彼は橋本の楽屋を訪れて「制限があるなら事前に言うべきだ!」と橋本を痛烈に批判した。橋本側は、プロデューサーには事前に伝えていたことを説明した。そこから約2週間後、佐藤は再び橋本の楽屋を訪れて、「そういう(身体接触の)制限があるんだったら夫婦役は受けるべきじゃない」「あなたは役者をやるべきではない!」と強い口調でまくしたてた。橋本は強いショックを受けた。
フジテレビの調査と佐藤への注意
このことが問題視され、フジテレビは外部の弁護士にヒアリング調査を依頼。プロデューサーなどの同席のもとで佐藤へのヒアリングが行われ、佐藤は弁護士から「橋本の仕事を否定するような発言は控えるべきだ」と注意を受けた。ここまでが記事の概要である。
なぜ佐藤本人に事情が共有されなかったのか?
問題の核心は、橋本側が事前にプロデューサーに伝えていたにもかかわらず、その情報が佐藤本人に伝わらなかった点にある。橋本の所属事務所は、身体接触に制限があることをプロデューサーに伝えていたが、プロデューサーは佐藤のマネージャーと話し合った結果、佐藤本人には伝えない判断をした。この情報共有の不備が、一連の行き違いを引き起こしたとみられる。
フジテレビの説明責任と世論の偏り
世論では一部で橋本への批判が向けられているが、この視点にはフジテレビの責任が抜け落ちている。プロデューサーがなぜ佐藤本人に伝えなかったのか、また、フジテレビがこの件について十分な説明をしないのは不誠実だと指摘する声がある。行き違いが起きた理由を検証し、再発防止策を講じるべきだ。
作家でお笑い評論家のラリー遠田氏は「橋本側は事前にプロデューサーに伝えていたのに、佐藤本人に伝わらなかった情報共有の不備が根本原因だ。フジテレビはこの点について説明責任を果たすべきだ」と述べている。



