「機動戦士ガンダム」のアニメーターで漫画家の安彦良和さん(78)と、大ヒットした劇場アニメ「ルックバック」の監督・押山清高さん(44)の対談が20日、天童市の市民文化会館で行われた。「なぜ描き続けるのか」をテーマに、アニメの制作の現場やその情熱について語り合い、訪れたファン約1000人が耳を傾けた。
東北ゆかりのクリエイター対談
天童市美術館で開催中の企画展「描く人、安彦良和」を記念して実施。映画を見た安彦さんからの「ラブコール」に、押山さんが応え実現した。中山町出身の母を持つ安彦さんと、福島県出身の押山さんとの、東北ゆかりの世界的クリエイター同士の対談となった。
手描きの魅力とAI時代のアニメ制作
近年のアニメが大人数で作るきれいなものが多いと話す安彦さん。そんな中、ルックバックが「線をあえてきれいにしていない。そういう哲学がある」と共感したといい、「手描きの、意のままにならないもどかしさが、アニメの命の一部だと思う」と熱を込めた。
押山さんも「(安彦さんが)50年描き続けているのはすごいこと。年代を経ているのに、あまりに一貫している作家性が羨ましい」と感嘆。「自分も今、漫画にチャレンジしているので、アニメと漫画両方を渡り歩く安彦さんを先人として学びたい」と応じた。
AI時代の今後のアニメ制作の話題にもなり、押山さんが「絵をなめらかに、高解像度にすれば良いというわけでもない。これから、人がものづくりする本質はよりクリアになる」と指摘。安彦さんは「手作りの危なっかしい良さ、揺らぎが楽しみだ。きれいなのが当たり前だと思われるのは寂しい」とAIにはない手描きの魅力を訴えた。
企画展は8月23日まで
同企画展は8月23日まで開催される。



