会津線SL現役時代と国鉄気動車、半世紀の記憶 ダムに消えた絶景も
会津線SL現役時代と国鉄気動車、半世紀の記憶

SL大樹「土津」試運転の舞台裏

下今市―会津田島間では、ディーゼル機関車DE10形がSLの前補機として連結され、SLはその力に頼ることで給水を回避できるという。給水地点は会津田島と芦ノ牧温泉だ。筆者はSL運転に合わせ会津田島駅で写真展を開催するため、会津鉄道に何度も通ったが、6月上旬の試運転でその様子を目撃した。

会津若松行きの試運転列車が「赤べこ」のヘッドマークを付けたDE10形を先頭に会津田島に到着すると、停車時間中にDE10形は列車の後ろに回り後部補機となる。この赤いヘッドマークは試運転の際のみという。

会津田島駅の給水設備と保存機

かつて、会津田島の駅構内には機関区の支所があり石炭庫と給水塔があったが、今やSL時代の痕跡は、最後まで走り続けたC11形254号機が会津田島駅前に保存してあるだけだ。まさかSL廃止時には半世紀後、再びC11形が走るとは誰も予想していなかっただろう。給水はホームに設置した容量5トンの水タンク2基からホースとポンプで行う。

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芦ノ牧温泉駅での給水

会津田島の次の給水地は芦ノ牧温泉駅だ。この駅のホームは相対式なので、各ホームに2基の給水タンクが必要になる。ホームの先端の空き地に設置した水タンクから、駅での停車中に給水を済ませる。

トンネル内の石炭の匂い

会津田島駅に向かうSL大樹「土津」は、この先に勾配のある長大トンネルを通過することになり、給水を受けたC11形も補機のDE10形も全力状態で走ることになる。煙突から吐き出される煙は客車の隙間から、懐かしい石炭の匂いを運んでくれるだろう。

楢原(現・会津下郷)付近を走るC11形牽引の貨物列車。牽引するC11形254号機はデフレクター(除煙板)が通称「門デフ」と呼ばれる形態で、現在は会津田島駅前に保存されている。

半世紀の変遷を写真で辿る

蒸気機関車(SL)現役時代の雪景色や満開の桜、紅葉の中を走る姿やダム建設で今は失われた風景を行く汽車、国鉄時代の気動車、三セク化された新生・会津鉄道の気動車試運転の様子、そして現在の特急列車まで、会津線半世紀の姿を写真で紹介する。

トンネル内で車内に煙が入り込んでくるこんな場面は、かつての昭和の蒸気機関車現役時代には鉄道の旅の苦痛でもあった。しかし、筆者には懐かしい子どもの頃の汽車の匂いだった。

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