文章が抽象的だと指摘される原因は、具体的な事実が足りないからではなく、主張がなく何を言いたいかが伝わっていないからだと、作家の藤原智美氏と明治大学文学部教授の齋藤孝氏が指摘している。
具体的な事実だけでは不十分
藤原氏によると、文章が抽象的だという指摘を受けると、とにかく具体的な事実をたくさん並べればいいと考える人が多いという。しかし、個別案件についてのビジネス文書でも、ある種の普遍性や汎用性が盛り込まれていないと、広がりがなく読み手にも届かない文章になると述べている。
新聞のような両論併記が原因
なぜ抽象的だといわれてしまうのか。それは文章に主張がなく、相手に何を言いたいのかが伝わっていないからだと藤原氏は説明する。主張のない人の文章は、新聞の文章によく似ているという。新聞は社説以外、「両論併記」で書かれることが少なくない。例えば「景気は今後回復する」と書いた一方で、「厳しい見方もある」と書き添えてバランスを取る。新聞には両論併記の意義があるとしても、これを普通の文章でやってしまうと、何を言いたいのかがさっぱり見えなくなると指摘。普段、新聞しか読まない人は特に注意したほうがいいと述べている。



