東映が製作する「シン・仮面ライダー」の制作費が85億円に上ることが、関係者の話で明らかになった。これは東映の映画作品としては過去最高額であり、同社は興行収入100億円超えを目標に掲げている。
庵野秀明監督が手がける新たな仮面ライダー
本作は「シン・ゴジラ」「シン・エヴァンゲリオン劇場版」などで知られる庵野秀明監督が脚本・監督を務める。庵野監督は自身の少年時代に影響を受けた仮面ライダーを、現代的な映像技術と独自の解釈で再構築する。主演は池松壮亮、共演に浜辺美波、柄本佑らが名を連ねる。
制作費の内訳は、特殊効果やVFX、大規模なセット建設に加え、庵野監督のこだわりを反映した撮影スケジュールの長期化が主な要因とされる。東映の関係者は「過去にない規模の投資だが、庵野監督のビジョンを実現するためには必要だった」と語る。
東映の過去最大の投資とリスク
東映はこれまでにも「仮面ライダー」シリーズで多くの作品を手がけてきたが、今回の制作費は従来の劇場版の数倍に相当する。同社は2023年3月期連結決算で売上高約400億円、営業利益約50億円を計上しており、85億円の投資は利益の1.7倍に当たる。
興行収入100億円を達成するには、観客動員数700万人以上が必要と試算される。これは2022年に公開された「シン・ウルトラマン」の44.4億円を大きく上回る数字であり、東映はマーケティングに総力を挙げる方針だ。
特撮ファンと一般層の両取り戦略
東映は本作を「特撮ファンだけでなく、一般の映画ファンにも楽しめるエンターテインメント」と位置づける。庵野監督の過去作品が幅広い層に支持された実績を踏まえ、仮面ライダーの世界観を初めて知る観客にも訴求するストーリーを目指す。
公開は2023年3月を予定。東映は既に前売り券の販売を開始しており、初日興行収入の記録更新も視野に入れている。一方で、制作費回収のハードルは高く、業界関係者は「仮面ライダーシリーズの新たな可能性を示す試金石になる」と注目する。



