SNSのアカウントを使い分けるように、いくつもの香りをまとい、気持ちを切り替える――。かつては「香水砂漠」と呼ばれ、欧米に比べて普及していなかった日本で、Z世代を中心に香水が人気だという。10月1日は「香水の日」。何が起きているのか。
「気持ちを整える道具」に変化
東京都新宿区の香水専門店「NOSE SHOP新宿」では、手のひらサイズのカップを鼻に近づけ、「これ、好みの匂い」「なんか、想像と違う」と感想を言い合う客の姿があった。埼玉から来たという岡川巧さん(26)は、仕事用とプライベート用で香水を使い分ける。「香水は自分にとってのアイデンティティーです」と言う。
この店舗を含め、全国で26店を展開する中森友喜社長(48)によると、客層は20~30代が圧倒的に多く、主力は50ミリリットルで2万円台後半の商品。以前は「モテる」など他者からどう見られるかが重要だったが、「気持ちを整える道具」として香水が使われるようになっているという。
複数を使い分ける人が7割超
同社が今年2月、20~60代の男女300人に実施したインターネット調査では、香水を使う人の7割超が複数を使い分けていた。「SNSで仕事用、趣味用、友人用とアカウントを使い分けるのと同じ感覚です」と中森社長は言う。気分を上げる、やる気を高める、心を落ち着かせる――。場面に応じた香りを楽しむのだという。
市場はコロナ禍の約1.5倍に
調査会社「富士経済」(東京)によると、市場はコロナ禍の約1.5倍に拡大している。