人口1007人の町に、年間15万8356人の観光客が訪れている。京都府笠置町では、30年以上解体できない廃墟ホテルや、閉鎖された温泉施設が残る一方、約100年ぶりに復活した飲み物が話題となっている。
遊歩道から見える廃墟ホテル
木津川沿いの遊歩道を15分ほど歩き、小高い場所に来ると、対岸中腹の濃い緑の間にグレーの建物が見えた。これが笠置観光ホテルだ。剥き出しのコンクリート、破損した窓ガラス、壁にはスプレーの落書きが目立つ。
笠置観光ホテルは1962年(昭和37年)に開業。多くの観光客でにぎわった時期もあったが、その後は来客数が減少し、採算も悪化し、1990年代に閉業した。立て直しを試みた経営者が次々と変わり、最後は個人の所有になった。しかし、30年以上経ってもホテルの再建にはつながらないうえに、町も勝手に解体や再活用することができない。周囲は落石の危険性もあり、その対策費用が町にとって大きな壁となっている。
閉鎖された温泉施設と100年ぶりの復活
町の中心付近には、1997年に開業した町営の日帰り温泉施設「笠置いこいの館」がある。当時は住民や観光客、キャンプ場客でにぎわっていたが、観光客の減少で採算が悪化し、2019年に営業を終えた。館内の一部はボルダリング施設として使われている。
一方、遊歩道脇の川原には巨大な岩がごろごろあり、自然のボルダリングアクティビティーが行われている。こうした取り組みが観光客を引き寄せ、人口1007人の町に年間15万8356人もの観光客が訪れる理由となっている。



