前売り券販売、目標の3割未満
2025年に開催される大阪・関西万博の入場券販売が低迷している。主催する日本国際博覧会協会(万博協会)は、前売り券の販売目標を1400万枚と設定しているが、2024年11月時点での販売実績は約400万枚と、目標の3割にも満たない。このままでは、来場者数目標である2820万人の達成も危ぶまれている。
万博協会は2024年4月から前売り券の販売を開始したが、販売開始から半年以上が経過しても、目標達成には程遠い状況だ。特に、個人向けの前売り券の売れ行きが鈍く、企業向けの団体券が販売の大半を占めている。万博協会の担当者は「個人の関心が想定よりも低く、販促活動を強化している」と述べている。
関心の低さと競合イベントが影響
入場券販売低迷の背景には、万博そのものへの関心の低さがある。2025年には大阪・関西万博のほかにも、東京で開催される国際的なイベントや、全国各地で行われる大型イベントが目白押しで、競合が激化している。また、新型コロナウイルス禍からの経済回復途上で、家計の消費意欲が十分に回復していないことも影響しているとみられる。
さらに、過去の万博と比較しても、大阪・関西万博への期待感は低い。1970年の大阪万博は、高度経済成長期の象徴として国民的な盛り上がりを見せたが、今回は「テーマがわかりにくい」「魅力が伝わらない」といった声が多く聞かれる。
販促強化と値下げも検討
万博協会は、販売低迷を受けて販促活動を強化している。SNSを活用したキャンペーンや、有名人を起用した広告展開などを行っているが、効果は限定的だ。また、入場券の値下げも検討されている。現在、大人1日券は7500円(前売り)で販売されているが、この価格が高いとの指摘もある。
万博協会の関係者は「入場券の価格設定は、過去の万博や他の大型イベントと比較しても妥当な水準だと考えているが、消費者の感覚と乖離している可能性がある」と話す。値下げを実施すれば、短期的な販売促進効果は期待できるが、収益面での影響も大きく、慎重な判断が求められる。
開催まで1年、今後の戦略が鍵
2025年4月の開幕まで、残り1年を切った。万博協会は、入場券販売のテコ入れに全力を挙げているが、時間は限られている。特に、開幕直前になると、前売り券から当日券への切り替えが進み、販売戦略の見直しが必要になる。
専門家からは「万博の成功には、国民的な盛り上がりが欠かせない。そのためには、万博の魅力をわかりやすく伝えるとともに、参加しやすい価格設定や、地域ぐるみの誘客策が必要だ」との指摘が出ている。万博協会は、2025年1月から3月にかけて、集中的な販促キャンペーンを実施する予定で、その成否が今後の行方を左右する。
大阪・関西万博は、1970年以来55年ぶりに大阪で開催される国際博覧会で、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げている。しかし、入場券販売の低迷は、開催そのものの意義や、日本全体の国際的なプレゼンスにも影響を与えかねない。主催者には、残された時間の中で、いかにして国民の関心を喚起するかが問われている。



