日越合作ミュージカル「アニオー姫~再び~」、9月12日開幕 ダブルキャストで
日越合作ミュージカル「アニオー姫~再び~」9月12日開幕

日本とベトナムの共同制作ミュージカル「アニオー姫~再び~」が9月12日、横浜市のKAAT神奈川芸術劇場で開幕する。江戸時代の鎖国前後の日本の商人とベトナムの王女の恋を通して両国の絆を描いた物語だ。18歳の新星ドー・ファン・ザ・ハンと元宝塚歌劇団の音くり寿がダブルキャストで主演する。

アニオー姫の物語と制作の経緯

アニオー姫とは、広南国(現・ベトナム中部)の王女ゴックホアのこと。17世紀初頭、朱印船貿易に携わる商人・荒木宗太郎と結婚して長崎に移住し「アニオーさん」の愛称で親しまれたが、時代の波にのみ込まれる。

2人の物語は、日越外交関係樹立50周年を記念して、当時の山田滝雄駐ベトナム大使の発案により2023年にオペラ化。総監督・指揮を本名徹次、演出・台本・作詞を大山大輔、作曲をチャン・マィン・フン、作詞をハー・クアン・ミンが担当した。

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ミュージカル化と主演2人の思い

「恋愛物語ですが、それだけではない。両国の人が違いを乗り越えて橋を構築する過程が描かれています」とハン。同作の東京公演に感動した神奈川県の黒岩祐治知事がミュージカル化を提案した。今度は大山が総監督となって、本名とフン、ミンもクリエイティブチームに参加している。「両国からの愛や温かさを同じだけ感じる。携わる人の夢や希望、祈りの強さに感動してます」と音は語る。

主演の2人はそれぞれ姫のゆかりの地である長崎とホイアンを訪れるなどして、人物像を探った。「ハスのようにがっしり根を張って美しく咲いている。太陽のように明るく、月のように優しく宗太郎さんを支えて大切な時には活を入れる。女性としてお手本にしたい」と音が言うと、ハンはうなずく。「勇敢な女性。情熱と強い意志がある。日本に行ったら両親に二度と会えないかもしれない。決断するには自分や周囲の人々を信じ、愛することが必要だったのでは」

稽古の日々と今後の展望

姫の気丈さは、日本での稽古に挑むハンに重なる。「日本語はイントネーションが難しい。言葉で表現しきれないと感じたら体で表現しています」。一方で音は、ハンのフレッシュさに魅力を感じている。「場の空気を味わって表現できていて、お芝居の中でハートが飛んでくる。大切なことに気付かせてくれます」。歌についても「声がきれい過ぎる」と絶賛した。

ハンはベトナム国立音楽院声楽科にトップで合格した逸材だ。子供の頃は「オペラ座の怪人」の歌を自在にまねできるほど聴き込んだ。今回の座組には演出の大山や出演する今井清隆、井料瑠美ら、同作の経験者が多いだけに、「感動しっぱなしです」とほほえむ。

今後の進路は「ミュージカルにひかれています」とハン。「踊り、歌、演技のスキルを磨くには取り組むべきだと思っています。日本には素晴らしいミュージカル文化がある。さらに多くのことを学びたいです」

公演は9月27日まで。荒木役は、田代万里生と小野田龍之介のダブルキャスト。問い合わせは電話0570・00・3337。

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