職場でハーフパンツ推奨、男性のすね毛は?ドイツ出身コラムニストが考察
職場でハーフパンツ推奨、男性のすね毛は?ドイツ出身コラムニストが考察

東京都が推進する「東京クールビズ」では、これまでのノージャケット・ノーネクタイに加え、今年から「ハーフパンツの着用」が推奨されています。通勤時間帯の都内の電車内でも、ハーフパンツ姿の男性を見かけることが増えました。一方、SNS上では一部の女性から「男性のすね毛は見たくない」「男性の生足を見せられるのは厳しい」といった声も上がっています。ドイツ出身のコラムニスト、サンドラ・ヘフェリンさんが、海外の事情と比較しながら、夏の男女のファッションについて考察します。

女性の「生足」はアリかナシか

これまで「生足」といえば、女性について語られることの多いテーマでした。「公の場で女性がストッキングをはかずに生足なのはアリかナシか?」という議論がSNSで繰り広げられてきました。かつては「マナーとしてストッキングをはくべきだ」という声が大きかったものの、近年は「生足はダメ」と言い切る人が少なくなっている印象です。猛暑が続く日本の夏が影響しているのかもしれません。

それでも、脚を見せる際には、多くの女性が何かとケアをしています。脚の脱毛の状態を気にしたり、サンダルを履くときに「ペディキュアがきれいに塗れているか」と気にしたり。ヘフェリンさん自身も、「足の指が見える場合はペディキュアをする」というマイルールを設けているそうです。「夏だから」「暑いから」と何も考えずに脚を見せるのは難しいと語ります。

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男性の脚は毛があって当たり前?

そのため、「男性のハーフパンツ」が推奨される中で、一部の女性から「男性のすね毛は見たくない!」という声が上がったことには、心情として理解できる部分があるとヘフェリンさんは述べます。女性が脚を見せる際に手間暇をかけている一方で、男性が生まれたままの姿で堂々と歩いているのを見ると、複雑な気持ちになるのも無理はないとしています。

世間には「男性の脚には毛が生えていて当たり前」「女性の脚に毛が生えているのはみっともない」という不文律があり、女性たちは「そういうものだ」と半分諦めている部分もありました。しかし、いろいろなことが見直されてきている今の時代だからこそ、モヤモヤするとヘフェリンさんは指摘します。

一方で、「すね毛がキモい」などと言われ放題の男性も気の毒であり、女性が自らのモヤモヤを男性にぶつけたところで、心地良くなるわけでもありません。ヘフェリンさんは「性別に関係なく、個人の好みでよい」と自分に言い聞かせることが大事だと主張します。暑い夏に大変な思いをするのは男も女も同じで、各自が好きなスタイルを選ぶことが、皆の幸福につながると述べています。

ドイツでは真っ白な脚は…

日本の夏ほどではないものの、地球温暖化の影響で近年のヨーロッパの夏もかなり暑くなっています。ヘフェリンさんの出身地であるドイツも例外ではありません。一部の公共交通機関や建物に冷房がないことがつらいところですが、ファッションに関しては日本よりも自由かもしれません。女性だからといって必ずしも皆が脚の脱毛をしているわけではなく、「脱毛はしない主義」の女性は日本よりも多い印象だと述べています。

ただし、ドイツの全体的な傾向としては、男性も女性も脱毛するのが近年のトレンドです。夏場に脚を見せる格好をする時、性別を問わず「脚が日焼けしているかどうか」が重視されます。ドイツの美的感覚では、真っ白な脚を見せるのは格好悪いとされるからです。脚を含め体が日焼けしていることは「直近で南の島にバケーションに行った」ことの証しであり、ある種のステータスでもあるといいます。

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近年は紫外線の肌への悪影響が知られるようになり、昔のように年がら年中日焼けをしている人を見かけることは少なくなりました。

胸毛を強調する男性も

ヨーロッパでは、夏場にシャツの襟を大きく広げ、胸毛を堂々と見せている男性の存在にも遭遇します。多くの場合、その胸元には目立つタイプのペンダントが光っています。ヘフェリンさんは「ああヨーロッパにいるな……」と感じる瞬間だと語ります。

ヘフェリンさんは、日本に住むヨーロッパ某国の男性からドイツ語の詩の日本語翻訳を依頼された経験を紹介しています。男性は翻訳料金の話を出さず、詩について熱く語るばかり。トイレから戻ると、先ほどよりもシャツの襟もとが大きく開き、胸毛が見えていました。ヘフェリンさんには「僕はこんなにセクシーな男なのだから、タダで翻訳してよ」というアピールに見えたそうですが、翻訳は引き受けなかったとのことです。

「自分の体をどう見せるか」そして「それを相手がどう受け止めるか」は千差万別です。胸毛のアピールが気にならない女性もいれば、好きだという女性もいるでしょう。冒頭の「男性の生足」に関しても、「すね毛がキモい」という女性もいれば、「他人の脚など気にならない」女性も多いはずです。もし男性が脚を脱毛してツルツルの状態でハーフパンツをはいていたら、それに対するネガティブな意見も出るでしょう。

暑いのはみんな同じ。ヘフェリンさんは、ファッションや美的感覚の問題で「男性」対「女性」と対立するのは「もったいない」と感じています。各自が好きな格好をすることがデフォルトとなれば、みんなが生きやすくなるのではないかと述べ、最後に「各自が一番心地よいと感じるスタイルを追求するのがベストでしょう」と締めくくっています。