「祭りより田植え」4兄弟が話題、父と農作業に励む姿に反響
「祭りより田植え」4兄弟の農作業動画が話題

8歳、6歳、4歳、2歳の男の子4兄弟が父親と共に田植えに励む動画が、Instagramで47万回再生を超える反響を呼んでいる。苗箱を運び、田植え機に乗り、空箱を片付ける子どもたちの姿に、「可愛い弟子が育ってますね」「これぞ、父の背中を見て育つ」「こういう経験が大人になって生きる」などのコメントが寄せられた。母親に話を聞くと、子どもたちは祭りよりも田植えを選んだという。

「子どもの日のお祭りより田植え」4兄弟の選択

「子どもの日に母方の祖父母、叔母と隣町のお祭りへ行く約束をしていました。お餅投げイベントが大好きで楽しみにしていました。ところが、出発の準備をしていたら、『田植えするぞー』と父が現れ、子どもたちも『田植えする〜!』と言い出し、お出かけに見向きもしなくなりました。その日は、我が家の田植え開始の日であり、子どもたちはこの日を待ちに待っていました」と母親は振り返る。

公園や祭りに誘っても「田植えがいい!」と田植え機に乗り、自然の風を感じる子どもたち。繁忙期の忙しさを幼いながらも感じ、協力の気持ちを示してくれる姿に父母ともに救われたという。「とても暑い日だったので、すぐに飽きるかと思いきや、すごい集中力で1日中、田んぼにいました。涼しさを求めて田んぼを裸足で駆け回ったり、水路で苗箱を洗ったりと、とにかく楽しそうでした。自ら楽しさを見出す姿にただただ驚き、笑ってしまいました」と母親は語る。

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兄弟で自然に分担された役割、農作業中は「一致団結」

兄弟の作業分担は自然に決まっている。長男は苗箱運びと父の助手、次男は苗箱運びと使用済み苗箱運び・片付け、三男は使用済み苗箱を軽トラに乗せることとあおりのロック、四男は使用済み苗箱を軽トラへ乗せることとひたすら兄のまね。「自分のやりたいことがちょうど4人で分散されていました」と母親。

家の中や庭では兄弟の争いやけんかが絶えないが、農作業中は穏やかで、兄弟で力を合わせ、意見を出し合い、話し合いもする。「農作業中は“一致団結”です!」と母親は強調する。

茂木農園では、いちご、お米、さつまいも、そばを育てており、家族で分担し365日作物に関わっている。長男は昔からやってきた自分の仕事をこなし、次男が三男、四男に指示を出してプレーが成り立つことが多い。「昔は少ない人数でこなしていた作業も、今は4人兄弟が揃って成り立っている。農作業があるから、4人の絆は深まっているのだなと実感しています」と母親は語る。

お小遣いで家族にプレゼント、親としての喜び

家ではお手伝いに対して報酬を与えており、子どもたちはお金や買いたいものなど自分で選ぶ。「報酬をもらったときのうれしそうな子どもたちの笑顔にほっこりします」。そして、貯まったお小遣いで、家族の誕生日や父の日、母の日などに4人が同じ額を出し合ってプレゼントを買ってくれる。「『お誕生日おめでとう』『いつもありがとう』と手渡してくれる姿を見ると、私たちのやっていることは間違っていないのかなと、頼もしくうれしく感じます」。

農作業を通して子どもたちの成長を実感する。「毎年同じ作業をしていても、同じ作業風景にはならないくらい個々が進化しています。一度やったことは体に染み付いているようで、親が指示をしなくても、自分で何をするべきかを考えて行動してくれます。これを農作業でくり返していたおかげで、普段の生活でも生きています」。

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学校生活でも「生きる力がある」「生活する知恵がすごい」「次に何をすべきかわかっている」「困っても泣かないし、人に頼らず自分でやり遂げようとする」と、8歳の長男から2歳の四男まで言われるようになった。「そういった言葉を聞くと、私たちの中であいまいだった息子たちの成長ぶりや変化が確信的なものになります」。

「協力し合うことの大切さ」を伝えたい

農作業を通して伝えたいことは「協力し合うことの大切さ」だ。「農業は1人でもできる仕事ですが、時間と手間がかかり、仕事量にも限界があります。多くの人の協力によって何倍もの力になるし、一緒に取り組むことで自分の疲労感も半分になります。何より、1つのことをみんなでやり遂げたときの喜びやうれしさを感じて学んでほしい。そして、誰かを必要としている人に力を貸してあげられる、手を差し伸べてあげられるような人になってほしいです」。

子どもたちの性格について、長男は好きなことへの集中力がすごく、幼い頃から自分で決めたことは何時間でも続けられる。次男は大人顔負けの発想力で仕事の手助けをし、誰よりも父の仕事に興味がある。三男はマイペースで優しく、人懐っこい。四男はやんちゃ坊主で、家族を笑いに包んでくれる。

農家の嫁としての不安を消したのは子どもたち

「農家へ嫁ぐ前は農家に抵抗がありました。農家の嫁として務まるのか、農家の子どもとして上手に子育てできるのかなどと思ってしまったのは、農家の仕事への理解が浅かったからです。その不安を消してくれたのは子どもたちでした。子どもたちが農家として生まれたことを嫌がったらと不安でしたが、農家の息子に生まれるべくして生まれたのではないかと思うほど、今を楽しみ、お手伝いに本気な姿があります」。

「4兄弟の田植えには、『日本の未来は明るい』『日本の農業を任せた』など、多くの温かい声が寄せられました。『田植え』という日本にとって当たり前の風景が今は減少し、農業をする人材も減少しつつあります。この動画を観てくれた人の気持ちを無駄にすることなく、農家として子どもたちと共に土地や風景を守っていきたいと強く思いました。土や自然、人の温かさに触れている我が子と共に、未来の農業を、一次産業を明るくできればと感じています」と母親は語った。