全国の写真愛好家でつくる読売写真クラブ(YPC、38クラブ)の合同展「2026全日本読売写真クラブ展」(個人部門)の審査が行われ、約1000点の応募から入賞82点が決まった。最優秀賞には樽谷節子さん(大阪)、審査委員特別賞には野島満さん(和歌山)が選ばれた。
受賞作品と講評
最優秀賞の「トラ人間」は、大阪・天王寺動物園で撮影された作品。審査を務めた写真家の立木義浩さんは「ガラスの反射を利用し、一瞬の機転で撮っている。身体を駆使したフィジカル・フォト」と評した。
審査委員特別賞の「地上の電線」は、水たまりに映る電線と鳥をモノクロで表現。「水墨画の趣を感じさせる」と講評されている。
優秀賞には、多和裕二さんの「湯の花神事」、西村功さんの「転倒」、中條和行さんの「ふしぎな木」、畠山和雄さんの「水分補給」、利根川浩子さんの「祭りのあと」が選ばれた。
審査員講評の全文
立木義浩さんは、今回選ばれた7点のうち6点が水に関わる作品だったと指摘。「選者が水に寄せる関心が高かったわけではないが、それぞれの写真において水が必要にして十分条件であった」と述べた。
また、地球の水資源について言及し、「川や湖などの直接使える『液体の真水』は、地球上の水全体の約0・01%以下しかない」と説明。その上で「写真は、作者が意図しない、見えていない風景が立ち現れるのを、観者が身をもって受信することもある」と語った。
最優秀賞「トラ人間」については、中島敦の『山月記』を彷彿とさせるとし、「人間の弱さが迫る寂寥感が見事」と評価。審査委員特別賞「地上の電線」は、「モノクロの単純化された世界が美しい」と評した。
また、「祭りのあと」「転倒」「湯の花神事」の3点は「祭り写真コンテストの類型からの脱皮を試みている」とし、「水分補給」と「ふしぎな木」は「足で稼いで発見した面白さがある」と講評した。
展覧会情報
展覧会は【東京】8月28日(金)~9月3日(木)午前10時~午後7時(最終日は午後4時まで)、富士フイルムフォトサロン(東京都港区赤坂9の7の3フジフイルムスクエア内)で開催。【大阪】は9月18日(金)~24日(木)午前10時~午後7時(最終日は午後2時まで)、同サロン(大阪市中央区本町2の5の7メットライフ本町スクエア1F)で行われる。
主催は読売写真クラブ、読売新聞社。協力は富士フイルムイメージングシステムズ、キヤノンマーケティングジャパン。今後の状況次第で変更の可能性もある。



