宇多丸、リドリー・スコット新作に大興奮「『マッドマックス』+『ボーダーライン』じゃん!」
宇多丸、スコット新作に大興奮「マッドマックス+ボーダーライン」

リドリー・スコット監督の新作映画『ラスト・サバイバー』(8月28日公開)の日本最速IMAXプレミア試写会とトークイベントが行われ、ヒップホップグループ・RHYMESTERの宇多丸、フリーアナウンサーの宇垣美里、音楽・映画パーソナリティの奥浜レイラが登壇した。かねてよりスコット監督の大ファンだという宇多丸が、最新作の魅力を熱弁した。

上映直後の興奮と緊張感

本作は、『ブレードランナー』(1982年)、『エイリアン』(1979年)などで知られるスコット監督が、ピーター・ヘラーの小説『ドッグ・スターズ(邦題:ラスト・サバイバー)』を映画化したディストピア・サバイバル。謎のパンデミックによって人口の90%が死滅した世界を舞台に、愛犬と亡き妻の記憶を支えに生きるパイロット・ヒッグが、無線から聞こえた謎の声に導かれ、希望を求めて未知の空へ飛び立つ。

上映直後、宇多丸は「やっぱり面白かったっすよね。面白かったと思うんだよな。皆さんも満足していただけてるかなと思って」と、興奮を隠せない様子で切り出した。奥浜が「緊張感がすごいですよね」と続くと、宇垣も「息つく間が全然なかったですよね」と同意。トークは、スコット監督ならではの緊張と緩和へと広がった。

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「マッドマックス」+「ボーダーライン」の味濃すぎな展開

宇多丸は、人間性を失った“狂った生き残りたち”に襲われる場面に、その落差が顕著に表れていると指摘。「あそこだけ取り出すと、すごくエグめの『マッドマックス』的アクションなんだけど、そこに至るまでに淡々とした暮らしを穏やかに描いているんですよね。だから、やっぱり怖い人が出てくると“いや、怖いんだけど!”って思って(笑)。そのシーンが予告とかで見ている時より、ずっと怖かったですもん!」と語った。

なかでも宇多丸を興奮させたのが、主人公・ヒッグ(ジェイコブ・エロルディ)と共同戦線を張るバングリー(ジョシュ・ブローリン)が、襲いかかる敵を迎え撃つ場面だった。「もう迎え撃つ気満々で、顔を黒く塗って、暗視カメラを通して『来ました、来ました』って待つじゃない?あれ、ドゥニ・ヴィルヌーヴの『ボーダーライン』のクライマックスみたいな感じでさ(笑)。しかも、そこに『マッドマックス』みたいな敵でしょ?『マッドマックス』+『ボーダーライン』じゃん!味濃すぎなんだよね!(笑)」と熱弁し、会場の笑いを誘った。

さらに、「そこまで淡々と来てるからさ、そこだけ急に山椒がビリビリ効いて、“山椒効きすぎなんだけど!”みたいな」と、独特の表現で作品の魅力を伝えた。

「リドリー愛」あふれるキャスト考察

荒廃した世界を描きながら、豊かな自然や穏やかな暮らしが映し出される点も本作の特徴だ。宇多丸は「穏やかなトーンと“ビッキビキ”のアクションシーン。いかれたギャップが、この世界の歪さを示していて、すんごく面白い作品でした」と太鼓判を押した。

主演のジェイコブ・エロルディについては、「ものすごく大きな体なのに、すごく悲しそうな少年みたいな表情を見せるんだよね。リドリーは彼の存在に賭けた」と考察。極限状態でも希望を捨てないヒッグという人物に、エロルディ自身が備える善性が重ねられていると読み解いた。

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また、ヒッグの相棒である愛犬ジャスパーにも注目。原題が『The Dog Stars』であることに触れ、宇多丸は「犬って絶対的に人間と対になる生き物なんだよね。犬の存在があってこそ、人間側の“人間味”みたいなものが際立つ」と説明。さらに、「動物的に生きることも求められるような世界で、人間を人間たらしめる根拠として犬がいる。相棒が犬であることが、めちゃくちゃ重要」と力説。過激なアクションと静かな人間ドラマを共存させたスコット監督の演出を、最後まで“リドリー愛”たっぷりに語り尽くした。

アフタートークの模様は、映画公開日の8月28日午前0時から、TBSラジオ『アフター6ジャンクション2』のポッドキャストで配信予定。物語のネタバレを含むため、映画鑑賞後の聴取が推奨されている。