アンソニー・ルッソ監督、『エンドゲーム:アンコール』と『ドゥームズデイ』への思いを語る
ルッソ監督、『エンドゲーム:アンコール』と『ドゥームズデイ』語る

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』が9月23日から期間限定上映中だ。この特別版には、12月18日に日米同時公開される『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』へとつながる新たな映像が追加されている。さらに、ディズニーの定める基準を満たした「INFINITY VISION」認定シアターで上映される版には、限定の特別映像も含まれる。

観客の熱意と監督の思い

9月25日、東京・渋谷の映画館でこの作品を観た観客からは、「過去作を頑張って見ておいてよかった」という声が聞かれた。横須賀から来た男性2人組は、地元に「INFINITY VISION」の上映館がないため、渋谷まで足を運んだという。追加映像と限定映像を観るために、時間とお金をかけるファンがいる。

こうした観客の期待に応えるべく、『エンドゲーム』を弟のジョー・ルッソ監督と手がけ、新作でも監督を務めるアンソニー・ルッソ監督は、「熱心なファン、長年にわたってキャラクターを追いかけ、映画と映画の合間にもキャラクターに思いを馳せ、彼らと共に生きてきたようなファンたちに報いたいという思いは強くあります」と語る。その上で、「ストーリーの多くは、そうしたファンを興奮させ、驚かせることを意図しています」と続けた。

新作は過去作を知らなくても楽しめる

一方で、ルッソ監督は「新しい観客や、これまでとは違う視点を持つ人々も、このパーティーに招き入れたい。この映画を観るために、過去作を見るのに人生の何百時間も費やさなければならないような状況にはしたくありません」と述べ、作品を深く知る人だけを対象にしない姿勢を示した。このバランスは、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014年)以来、兄弟が手がけるマーベル映画で追求してきたものだという。

『エンドゲーム』は、21本の先行作を持つシリーズの作品ながら、2019年の公開時には『アバター』を抜き、世界歴代興行収入1位となるメガヒットを記録。現在も約28億ドルで2位につけている。監督は「『エンドゲーム:アンコール』には新たな物語の要素が含まれていますが、それを観ていなくても、どのような経緯で映画にたどり着いたとしても、『ドゥームズデイ』の物語は理解していただけるはずです」と強調した。

INFINITY VISION版に特別な要素を盛り込んだ理由については、「映画館での体験をより素晴らしいものにしようとするINFINITY VISIONの取り組みを心から支持しているから」と説明。映像や音響の向上に取り組む映画館を支援したいという思いがあるという。

『ドゥームズデイ』誕生の転機

では、『エンドゲーム』の先にある物語を、ルッソ兄弟はいつから考えていたのか。意外にも、監督の答えは「制作していた当時、その先の物語がどうなるかについては考えていませんでした」だった。

「それまで語ってきた物語を、創造的な形で完結させることに全力を注いでいたんです。MCU全体の物語はもちろん、私と弟のジョーが手がけた4作品にも、きちんと“完結”という感覚をもたらしたかった。そのために、あえて先の展開は考えないようにしていました。それが私たちなりの創作上の規律だったと思います」

次の物語を真剣に考え始めるまでには、かなりの年月がかかったという。兄弟で話し合いを重ねる中、転機となったのは、これまで2人のマーベル作品で共同脚本を務めてきたスティーブン・マクフィーリーの提案だった。「彼のアイデアを聞いた瞬間、『これだ!』と思いました。そのアイデアが、実質的に『ドゥームズデイ』の礎になっています」と語る。具体的な内容は明かせないというが、「どんな映画にするのか、物語をどう展開させるのか。何年も見つけられずにいた答えへの道筋を、彼のアイデアが示してくれたんです」と振り返る。マクフィーリーとこの話をしたのは「数年前」で、マーベルと新作映画について具体的な話し合いを始める半年ほど前だったという。

2024年7月には、ロバート・ダウニー・Jr.が『ドゥームズデイ』にドクター・ドゥーム役で出演することが発表された。トニー・スターク/アイアンマンとしてMCUをけん引し、『エンドゲーム』の結末を担った俳優が、今度は別の役で戻ってくる。ルッソ監督は、ダウニー・Jr.という俳優とトニー・スタークの間には「極めて特別でユニークな」調和があったと振り返る。それは物語を作る上でも、一人のファンとしても、兄弟にとって大きな原動力になったという。「ロバートは単に素晴らしい役者であるだけでなく、優れたストーリーテラーでもあります。物語の語り方を非常に深く、洗練された形で理解しているんです」と語り、「彼をドクター・ドゥームというキャラクターへと進化させていく過程においても、彼はまさに創造面でのパートナーでした」と明かした。

『エンドゲーム:アンコール』の劇場上映について、ルッソ監督は「観客と一緒に『エンドゲーム』を観たときのことは、本当に特別で、ほかに代えがたい体験でした。何年も前から、もう一度あの体験をしたいと願っていたんです。それが実現するなんて、夢のようです」と喜び、「皆さんが再び、あるいは初めて、この作品で特別な体験をしてくれることを願っています」と呼びかけていた。『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』は10月8日まで期間限定上映。『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』は12月18日公開。