第98回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した『プーチンの愛国教室』(2026年10月3日公開、配給:トランスフォーマー)の日本版予告編と新場面写真7点が公開された。
ロシアの教育現場を描くドキュメンタリー
本作は、ウクライナ侵攻後からロシアの教育現場で行われている愛国教育の全貌を暴き出す。舞台はウラル山脈麓の小さな田舎町にあるカラバシュ初等・中等学校。主人公のパヴェル・タランキンは母校でイベント企画や記録を担当する撮影教員として勤務していた。子供たちの日常や成長をビデオカメラに収め、彼らを支える仕事に誇りを持っていた。しかし2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻が始まったことで日常は一変する。
国家による教育現場の侵食
国家が市民を扇動し戦時下へと突き進む中、教育現場を侵食する愛国プロパガンダの実態が当事者の視点から映し出される。タランキンはロシア学校教育の現状を世界に告発するため、国外のアメリカ人ドキュメンタリー作家デヴィッド・ボレンスタインと共同で本作を極秘裏に制作。ロシア国内で多くの戦争批判者が投獄され監視体制が敷かれる危険な状況の中、約2年間をかけて完成に至った。
予告編の内容
公開された予告編は、タランキンが自身と仕事ぶりを通じて笑顔あふれる学校を紹介する様子から始まる。2022年2月24日、プーチン大統領が「特別軍事作戦」の開始を発表。学校には愛国教育の新方針が通知され、愛国歌の斉唱や戦意高揚スピーチが義務付けられ、それを撮影して政府に報告することが求められる。「完全にイカれてるよ」とあきれるタランキンをよそに、国旗掲揚、軍隊式行進、国旗の小旗、保守系教師による排他的授業など、異論を許さない戦時教育が学校に浸透していく様子が捉えられている。
当初は撮影を職務としてこなしていたタランキンは、次第に「仕事は好きだけど、政府の手先にはなりたくない」と本音をカメラの前で吐露するようになる。撮影目的が変わっていったことが、タランキン自身のナレーションで明かされる。刻一刻と迫る状況の中、彼の決断がもたらすものとは――。
タランキンのコメント
タランキンは監督の一人として本作への思いを次のように語っている。「これは、人々が望むと望まざるとにかかわらず、岩のかけらを押し付けられ、それを次々と受け渡していくうちに、ついには誰もがその重みに耐えきれず、従順で無感覚になり、'不条理'を'真実'として受け入れてしまうようになるまでの物語です」「(教職員は)みんな疲れ果てていましたが、政府から命令は次々と降りてきます。『撮影して、公開しろ』『撮影して、公開しろ』――だから私は撮影して、公開したんです。さあ、ご覧ください」
ストーリー
ロシアの田舎町の学校で撮影担当教員として働くタランキンは、子供たちから「頼れるお兄さん」と慕われる人気者だった。しかし2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を機に日常は一変する。プーチン大統領の教育令により、学校は子供たちに戦争参加を使命として教え込み訓練する「愛国教育」の場へと変貌。逆らう者は「国家の敵」とみなされる絶対的命令のもと葛藤する教師たち、戦時教育に染まる子供たち、戦地へ送られる卒業生たち――全てをタランキンのカメラが記録する。
出演:パヴェル・タランキン 監督:デヴィッド・ボレンスタイン、パヴェル・タランキン © 2025 made in copenhagen Aps, Pink Productions s.r.o.



