『オブセッション 災愛』カリー・バーカー監督インタビュー公開、低予算ホラーが全米興収2億ドル突破の快挙
『オブセッション 災愛』監督インタビュー、全米興収2億ドル突破

恐怖工房ブラムハウスが手がける低予算ロマンティック・ホラー映画『オブセッション 災愛』(2026年7月17日公開、配給:パルコ/ユニバーサル映画)で監督を務めるカリー・バーカーの公式インタビューとメイキング写真6点が公開された。

全米興収2億ドル突破のサプライズヒット

本作は、恋愛感情と紙一重の「オブセッション(執着)」を描くネオ・ロマンティック・ホラー。公開2カ月目に入った現在も観客動員は衰えず、上映規模は当初約2,000館から1,000館以上拡大し、全米3,068館に達した。全米興行収入は2億ドルを突破し、2026年のサプライズヒットとして映画界を席巻している。

スペインの人気バラエティ番組「El Hormiguero」に出演したトム・ホランドが、本作をロンドンの満席の劇場で鑑賞したことを明かし、パートナーのゼンデイヤとともに絶賛。さらに、フランシス・フォード・コッポラも自身のInstagramで本作に言及し、若き才能としてカリー・バーカー監督を称賛。その投稿は7.1万件以上の「いいね」を集めた。主演のマイケル・ジョンストンもコメント欄で感謝の言葉を寄せており、本作をめぐる熱狂はハリウッドのトップスターから映画界のレジェンドにまで広がっている。

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6月30日に発表された「2026 Astra Midseason Movie Awards」では、最優秀ホラー作品賞を受賞。主人公ニッキー役のインディ・ナヴァレットが最優秀主演女優賞に選ばれた。また、7月2日に発表された「VARIETY」選「2026年上半期ベストホラー」では第1位に輝き、2026年上半期を代表する注目作として高い評価を獲得している。

カリー・バーカー監督インタビュー

――今、あなたはハリウッドで最も勢いのある映画監督となりました。ご自身ではこの状況をどう感じていますか?

カリー・バーカー:初めての劇場向け映画だというのに大ヒットし、誰もがこの映画について話しています。本当に信じられない状況で、できるだけ地に足をつけていようとしています。外を歩くだけでも以前よりずっと多くの人に声をかけられます。ただ、部屋にこもって自分の作業をし、スマホの電源を切れば普段通りの生活ができます。自分でも「何も変わっていない」と言い聞かせています。

――全米公開でここまで大きなヒットとなったのは予想外でしたか?

カリー・バーカー:もちろん予想外でした。公開前には業界内で興行収入の予想が飛び交っていましたが、僕は楽観的なタイプで「1億ドルに達してくれないかな」と思っていました。今やその大台を超えそうになっています(※注:取材時点は2026年5月27日。7月9日時点で全米興収2.4億ドル超え、世界興収4億ドル突破)。自分の映画の興行成績をリアルタイムで追うのは初めてで、その過程自体が楽しかったです。実は、マネージャーとエージェントのジョーダンとの間で「初週末に北米興収2,000万ドルを超えたら全員タトゥーを入れよう」と約束していたんです(笑)。結果は1,700万ドルでしたが、翌週に2,000万ドルを超えました。公開初週末より翌週末の方が稼ぐなんて、誰も予想しませんよね。

――意外だった反応はありましたか?

カリー・バーカー:面白い考察をいろいろ聞きました。ある人は「映画の中盤でニッキーはサラの頭皮を剥ぎ、その髪を身につけている」と言っていましたが、それは事実ではありません。ファン理論を聞くのは楽しいです。「実はニッキーは劇中に登場する〇〇そのものなのでは」という説もあり、証拠まで並べられていて、「違うけど、それは面白い」と感心しました(笑)。

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普遍的なテーマを新鮮に描く方法

――この作品に多くの人が共感できるのは、根本にあるテーマが普遍的で時代を超えているからだと思います。どうやって新鮮なものにしたのでしょうか?

カリー・バーカー:僕はいつも「別バージョン」を作る感覚で作品に向き合っています。たとえ「どこかで見たことがある」設定でも、全然違うバージョンを作ります。相当な思考と労力が必要ですが、前にあったのと同じものにはしたくありません。常に一番変わった方向に持っていき、「ここでこう来たか」という展開にしたいと思っています。

――このアイデアはどのくらい前から持っていたのでしょう? 着想源は?

カリー・バーカー:かなり前から持っていました。最初はスマホのメモに「ある男女がお互いに執着し、その関係が狂気に発展する」という走り書きでした。僕の作品は全部、スマホのメモから始まっています。後から『ザ・シンプソンズ』のある回で「モンキーズ・ポー」的な願いが裏目に出る話を見て、「この要素は執着の話と相性がいい」と思い、願いの要素が加わりました。つまり、執着というテーマがもともと存在していて、願いが裏切る要素が加わり、全部が結びついたんです。

――あなた自身は魔法や超常的な力を信じますか?

カリー・バーカー:あまり迷信深くはありませんが、「引き寄せ」のようなものは多少ある気がします。スピリチュアルな人間ではありませんが、自分の成功の一部は自分で引き寄せてきた気もします。ただ、宇宙に向かって願えば叶うというより、プラシーボ効果に近いと思います。「こうなりたい」と意識することで、目標に向かう行動を自然に取り続ける。だから、引き寄せというより、実際に行動して現実化していると考えています。

「願いの柳」のこだわりと撮影の裏側

――「願いの柳(ワン・ウィッシュ・ウィロー)」のCM映像が面白かったです。あの商品のアイデアはどこから?

カリー・バーカー:完全に自分で考えました。店で買える物にしたかったんです。突然家の前に届く謎のアイテムや、どこから来たかわからない不思議な物体にはしたくなかった。流れ星も嫌でした。物理的に存在する物にしたかった。それで調べましたが、ストーリーに合うものが見つからず、全部自分で作ろうと決めました。箱のデザインにはかなりこだわり、完成までに4か月かかりました。撮影自体は20日程度でしたが、箱のデザインにはそれ以上に時間がかかっています。

――低予算で20日間の撮影をどうやってこなしたのですか?

カリー・バーカー:この映画に関わった人たちは、映画作りが好きだからという理由で集まってくれました。才能があって情熱的なチームに恵まれ、本当に幸運です。カメラ会社のPanavisionも機材を割引価格で貸してくれました。この映画は、本当にどこにおいても恵まれていました。

――一番大変だったことは?

カリー・バーカー:新しい人たちと仕事をすることと、スケジュールに従って撮影することです。今まではスケジュールがなく、納得いくまで何テイクでも撮れました。でも『オブセッション 災愛』では、撮影時間は1日12時間しかなく、翌日には別のシーンやロケ地が控えています。その日に必要なものは全部撮り切らなければならず、後で戻るのは難しい。それは大変でしたが、興味深い体験でした。特にパーティーのシーンは、登場人物が多く動きも複雑で、エキストラも大勢いたため、全員の集中力を保つのが大変でした。危険なスタントが絡むシーンも神経を使いました。クライマックスは特に素晴らしいものにしなければならず、プレッシャーが大きかったです。

キャスティングの決め手

――ベア役のマイケル・ジョンストンとニッキー役のインディ・ナヴァレットの起用の決め手は?

カリー・バーカー:マイケルは、声に独特の純真さと同時に、どこか闇を感じさせるニュアンスがありました。不器用さの演技もうまく、初めて会った時から「この人こそベアだ」と感じました。彼は人に同情させるのがうまく、純粋さがあります。インディは、普通のニッキーの部分にたくさんのものを持ち込んでくれました。ニッキーは単なる感じのいい隣の女の子ではなく、ちょっと生意気でボーイッシュな雰囲気もあるキャラクターです。インディはそこを自然に引き出してくれました。

――インディにどのような演出をしましたか?

カリー・バーカー:僕はインディに「これは確かにワン・ウィッシュ・ウィローによる魔法が存在する世界の話だが、ここからは男と女の話だと思ってほしい」と伝えました。「ニッキーはベアに執着し、ベアを自分のものにしておくためにはどんなことでもする。それをゴールだと思って」と。その結果生まれるのは、悪魔的で恐ろしい存在ではなく、嫉妬深くて必死で少し面倒くさい女性です。それが僕の狙いでした。

影響を受けた作品と映画製作の原点

――昔からホラー映画のファンでしたか? 特に影響を受けた作品は?

カリー・バーカー:はい。『ザ・リング』(2002)は子供の頃に観てとても怖いと感じました。『悪魔のいけにえ』(1974)、『ヘレディタリー/継承』(2018)は17歳くらいの時に公開され衝撃的でした。『ミッドサマー』(2019)は19歳くらいの時に観て影響を受けています。

――最初にカメラを手に取ったのはいつですか?

カリー・バーカー:11歳くらいの時で、本当に小さい頃から映画を作っていました。今、弟のドリアンも10歳で同じようなことをしていて、僕に影響を受けているのでしょう。弟を見ていると、自分もあの頃こうだったなと思い出します。

――YouTubeからキャリアを築き、新世代の象徴だと感じますか?

カリー・バーカー:自分ではそう感じていませんが、周囲がそのように見てくれているのは感じます。ただ、僕はそこまで典型的なYouTuberではありません。アルゴリズムを研究したり、登録者数を伸ばすことに全力だったりするタイプではありません。マークプライヤーは本物のYouTuberで、彼はまさにそれを仕事にしています。だから、僕自身が新世代の顔のように言われるのはちょっと不思議です。でも、自分の成功が夢を持つ人たちに可能性を感じさせているのは間違いないと思います。DMが送られてきたり、「カリー・バーカーに影響されました」というInstagram投稿を見かけたりします。短編映画を撮っている動画などを見ると、誰かにインスピレーションを与えていると感じ、とてもうれしいです。

■ストーリー
想い続けた彼女の心を掴むため、青年は禁じられた願いに手を伸ばす。「ワン・ウィッシュ・ウィロー」――その願いの代償、膨張する「愛」に襲われ、想像を絶する惨劇に呑み込まれていく。

■出演者
ベア:マイケル・ジョンストン
ニッキー:インディ・ナヴァレッテ
イアン:クーパー・トムリンソン
サラ:メーガン・ローレス

■スタッフ
監督・脚本:カリー・バーカー
© 2026 Focus Features LLC.