夏興行を席巻する「キングダム」と「トイ・ストーリー」、巨匠スピルバーグすら逃げ出したシリーズIP「最強方程式」の絶大効果
夏興行を席巻する「キングダム」と「トイ・ストーリー」、巨匠スピルバーグすら逃げ出したシリーズIP「最強方程式」の絶大効果

真夏の公開初動で前作比124%のロケットスタートを切った『キングダム 魂の決戦』(写真:編集部撮影)。この作品に象徴されるように、配信と映画の連動がシリーズIPの興行収入を押し上げる「最強方程式」が確立されつつある。

原点は2020年の『鬼滅の刃』無限列車編

この方程式の原点は、2020年の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』だった。連続アニメ「鬼滅の刃」は、キー局のゴールデンタイムに依存しない放送形態でスタートし、約20もの配信サービスに網羅的に展開されたことで視聴が拡大し、社会現象化した。誰もがいつでも全話を追える状態が作られていたからこそ、劇場版は404億円という前人未到の数字に到達できた。

『名探偵コナン』や洋画シリーズでの成功

『名探偵コナン』の映画シリーズでも配信がヒットを増幅した。映画公開に合わせて膨大な過去作(テレビシリーズと歴代劇場版)を計画的に配信展開するようになった結果、かつて60億〜90億円台だったシリーズの興収水準は、23年以降100億円台へと一段レベルアップし、その流れが4年続いている。

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25年の洋画興収トップ3は、1位『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の52.8億円、2位『モアナと伝説の海2』の51.7億円、3位『ジュラシック・ワールド/復活の大地』の49億円。アニメに押された洋画退潮の中で上位を守ったのは、3作とも過去作を配信でいつでもさかのぼれるシリーズ作品だった。

『ラストマイル』のシェアード・ユニバース戦略

この方程式を最も戦略的に使ったのが、24年の実写邦画『ラストマイル』である。同作はシリーズものではないが、TBSのドラマ『アンナチュラル』『MIU404』と世界観を共有する「シェアード・ユニバース」と謳い、劇中に両ドラマの登場人物たちを同じ役名で登場させた。両ドラマは映画公開に合わせて配信サービスで視聴できる状態が整えられ、観客は映画を観る前あるいは後に配信でドラマを追い、再び劇場に戻る循環が生まれ、興収は59億円を超えた。

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