俳優の磯村勇斗とAぇ! groupの末澤誠也がW主演を務める映画『mentor』が10月16日から公開される。初共演で幼なじみ役を演じた2人が、鬼才・吉田恵輔監督(※吉=つちよし)のもとで作り上げた不思議で不穏な世界観について、インタビューで語った。
初共演で幼なじみ役、互いの印象は?
磯村は「末澤くんはバラエティでも見ていてすごく言葉にキレのある人だなと思っていました。とてもイジられている印象があったのですが、どこか近い部分もありそう。僕もイジられるし、イジることも好きなので、同じ匂いを感じていてお会いすることが楽しみでした」と当時の印象を明かした。
末澤は「僕も磯村くんが出演された作品を観ていてクールな方なのかなというイメージがありました。クランクインしてお話するとボケたり、すごくおちゃめな方だと思いました。でも僕は一緒にお芝居させていただけることがありがたく光栄やな…と」と振り返る。
共演してみて印象が大きく変わったといい、末澤は「めちゃくちゃおしゃべりな方だなと」と磯村の印象を語る。一方、磯村は末澤について「本当に圧倒的な弟感があってずるいなぁと。みんな、好きになる。ピュアで心がきれいです」と絶賛した。
役作りへのこだわり、アーチェリーとワークショップ
役作りで苦労した点について、磯村は「龍之介を演じるうえでアーチェリーが一番、大事でした。役としてオリンピックの選抜に選ばれるレベルまで持っていかなければならなかったのと、龍之介はアーチェリー一筋で子どもの頃の事件から逃れるための唯一の救いでもあったからです」と語る。
撮影前の練習では正式な距離より近いところから射っていたが、撮影に入ると監督が「本当の距離でやってみたい」と提案。一番遠い距離で的に当てることができ、「本番も“これで行こう”となりました」と明かした。
末澤は「ワークショップだけでは拓海という役をつかみきれなかったので、引き続き台本は読み込んでいきました。拓海は結構、心情が変わっていくので、その変化を自分の中で4分割してから組み立てて、どんなグラデーションで拓海の変化を見せようかな、と役作りをしていきました」と説明。ビジュアルにもこだわり、「黒髪、重めで根暗な感じにしようと髪の毛を伸ばしました。体重を4、5キロくらい落としたのですがそのほうが龍之介との対比もそうですし、事件以来2人が歩んできた道の違いがよりわかりやすいかなと」と語った。
綾野剛のアイデアと現場の空気感
撮影中に綾野剛が多くのアイデアを出していたといい、磯村は「台本とはまた違うものになっていました。それくらい綾野さんがアイデアを出してくださり、それをトライしてみようとなりましたし、監督が想像していない角度からの演出、体の動き、手の動き、表現などを求めてくださったので“表現って自由でおもしろい”と気づかせていただいた現場でした」と振り返る。
末澤は「現場に入ってその場で生まれるものもありました。監督がよりブラッシュアップしてシーンが完成していったので、“こういう感じになるんだ”と思いましたし、やっていて楽しかったです」と語った。
また、綾野のアイデアで末澤が詳細を知らされずに突然カメラを向けられたシーンがあったといい、磯村は「末澤くんのリアクションを撮るために、綾野さん演じる埜本に関するあることを末澤くんだけに知らせず本番一発で撮ったシーンがありました。それは綾野さんのアイデアです」と説明。末澤は「ほぼドッキリに近い。すごく自然な反応ができている気がします」と語った。
完成作への手応え、ジャンルは「吉田監督」
完成作を観た印象について、磯村は“変な映画を作ったな”と思ったそうで、「でも今必要なエンタメとして成立していますし、社会的なテーマも持っている。それぞれのキャラクターは立っているのに、3人が共存すると不穏で気持ち悪い空気になる、絶妙なバランスがあります」と語る。
末澤は「不思議な映画だなと思いましたし、観る人によって受け取り方が違うだろうなと思います。怖さを感じる人も、笑ってる人もいるかもしれないし、感動をする人ももしかしたらいるかもしれない。十人十色の受け取り方ができるのでは。また、ひとつのテーマとしては「赦し」がある。なにをもって「赦し」になるのか。そういう深いテーマもあるので、何回観ても、いろんな観方で楽しめると思います」と話した。
この作品を表すジャンルについて、末澤は「ジャンルは「吉田監督」ですね」と答え、磯村は「ここまで話してきたことがすべてではあるのですが、なにか目をそらしたくなる部分を、吉田監督は演出でちゃんと作ってくる。この難しさも込みの「ジャンル:吉田恵輔監督」です!」と締めくくった。