第97回アカデミー賞国際長編映画賞のイラク代表作品『バグダッド・メッシ 片足のサッカー少年』(公開中、配給:Elles Films)から、「地雷原が舞台の『スタンド・バイ・ミー』」と話題の本編映像と新場面写真5点が公開された。
作品概要
本作は、リオネル・メッシに憧れるバグダッドのサッカー少年ハムディが、イラク戦争に翻弄されながら困難から立ち上がる姿を描く。爆撃で片足を失っても「サッカーへの想い」を胸に歩み続ける少年の姿は、希望さえも飲み込もうとする非情な現実の中で、人間が生き抜くことの真の意味を問いかける。
2015年にアカデミー賞短編実写部門の最終候補作品を長編映画化し、第97回アカデミー賞国際長編映画賞イラク代表に選出。各国の映画祭で最優秀賞を席巻し、主演のアフマド・モハメド・アブドラは第10回ドホーク国際映画祭で最優秀男優賞を受賞した。
主演の実体験
主演アフマド自身が、5歳の時にテロで片脚と最愛の父を失った過去を持つ。ハムディと同じくメッシへの憧れを胸に不屈の精神で立ち上がる姿は、演技を超えた痛切なリアリズムを体現している。
公開された本編映像
今回公開された映像では、4人の少年たちが地雷原に石を投げ込み、爆発の仕組みを確認する姿が映し出される。「石をたどれば、きっと大丈夫だ」という言葉に背中を押され、ハムディは松葉杖をつきながら一歩一歩、確実に大地を踏みしめていく。兵士の遺体から無事に武器を回収し、仲間の元へと引き返し始めたその時、「カチッ」と無情な音が響き渡り、ハムディは地雷を踏みつけてしまう。
見守っていた少年たちはすぐさま救出に向かい、爆風から身を守れるよう自分たちの衣服をハムディに着せ、身を隠すための穴を目の前に掘り始める。危険と隣り合わせの日常で身につけた生き抜く術と、時に衝突しながらも突如として発揮される子供たちの純粋な魂が描かれる、緊迫感に満ちた屈指の名シーンだ。
ストーリーと出演者
2009年、イラク戦争下のバグダッド。メッシに憧れる11歳の少年ハムディは、仲間たちと泥だらけのサッカーボールを日々追いかけていた。しかし、一瞬の爆撃に巻き込まれ、目覚めると片足を失っていた。夢も自由も奪われ、さらにアメリカの警備会社で通訳をする父を憎む者に家を焼かれてしまった一家は辺境の村へ逃れる。片足を理由に地元のサッカーチームから拒絶され、何もかもが変わってしまった世界で居場所を見失うハムディだったが、閉ざされた少年の心を両親の愛が動かし、もう一度夢を見るために一本の足でも立ち上がろうとする。しかし、戦争という無慈悲な現実はなおも容赦なく彼らに襲いかかる。
出演者は、ハムディ役をアフマド・モハメド・アブドラ、サルワ役をザフラー・ガンドゥール、カディム役をアセール・アデルが務める。監督はサヒム・オマール・カリファ。



