朝のウオーキングをしていると、町のあちこちにノウゼンカズラが咲いている。猛暑に負けず、燃えるようなだいだい色の花をいっぱい咲かせている。
義母からもらった苗
ノウゼンカズラを見ると、亡くなった義母がその苗をくれたことを思い出す。小学校の教師をしていた義母は「自分の子供には十分なことをしてやれなかったから」と言って、私の3人の子供たちの面倒を見てくれた。
保育所のお迎えの時間を気にしている同僚がいる中で、私は義母のおかげで、その日の仕事を終えてから迎えに行くことができていた。ある日、いつものように迎えに行くと、義母が小さな鉢に入れたノウゼンカズラの苗をくれた。
自宅の庭に植えたけれど、忙しさにかまけて十分な世話をしなかったので、いつの間にか枯れてしまった。30代だった私は子育てと仕事で頭がいっぱいで、義母が子供たちの世話をしてくれているありがたさが分かっていなかった。
今になって気づく感謝
しかし、自分があの頃の義母と同じ年代になって、60代で孫の世話をすることの大変さにやっと気づいた。ノウゼンカズラを見ると毎日、愛情いっぱいに子供たちの世話をしてくれていた60代の義母の姿を小さな後悔とともに思い出し、改めて感謝の気持ちでいっぱいになる。
(鈴木久仁子(66) 愛媛県四国中央市)



