Prime Originalドラマ『犯罪者』の第6話・第7話(最終話)プレミア上映会イベントが7月30日、韓国で開催された。記者会見と舞台あいさつには、俳優のチョン・イルと松永大司監督が登壇し、本作への思いを語った。
本作は『相棒』シリーズなどで知られる太田愛氏の同名小説を実写化。高橋一生、斎藤工、水上恒司がトリプル主演を務め、警察、政治、巨大企業が絡む巨大な闇に、刑事、記者、生存者という立場の異なる3人が挑むクライムミステリーだ。
オファーは「すぐに快諾」
謎の男・滝川役で日本ドラマに初出演したチョン・イルは、出演の経緯について「3年前、『高速道路家族』をご覧になった松永監督から『いつか一緒にお仕事しましょう』と声をかけていただきました。今回、滝川役のオファーをいただき、すぐに快諾しました」と振り返った。原作を3回読み返したといい、「善い人なのか悪い人なのか、好奇心をそそられる役」と役柄の魅力を語った。
配信開始から日本で3週連続視聴ランキング1位を記録したことについて、松永監督は「“ながら観”しちゃダメな作品だから、他の作業をやめて観ているという感想をSNSで見かけて、とても嬉しかった」とコメント。「視聴者を信じてつくる姿勢は映画と変わらない。その熱量が届いたことが今後のものづくりにも大きく影響すると思います」と喜びを語った。
2ヶ月半の日本での撮影
記者会見では、2ヶ月半にわたる日本での撮影についての話題も出た。チョン・イルは「言語や文化の違いはありましたが、監督が原作では日本人だった滝川を韓国人に変えてくださいました。韓国的な要素を加えることで違うキャラクターになると思いました」と振り返った。
シーズン2や劇場版の可能性について問われると、松永監督は「原作は3部作なので続編は考えられますが、結果次第ではないでしょうか」とコメント。チョン・イルも「劇場版が制作されるのであれば、監督がどう表現するのか興味があります」と期待を寄せた。
タイトルデザインに込めた意味
舞台あいさつでは、タイトルデザインについての質問が寄せられた。松永監督は「タイトルの文字が少しずれて重なるのは、目に見えているものよりも、実はその事件や罪の後ろにもっといろいろなものがあるのではないかということで、大きさも変えました」と説明。さらに「タイトルの最初に出てくる3本の線は、2024年、2025年、2026年を表しています。それぞれの年に点が増えることで、物語のどこに位置しているのかが示されているんです」と明かした。
本作でデビュー以来初となる本格的な悪役に挑戦したチョン・イルは、「通り魔事件から始まりますが、その背景について自分なりの答えを見出しました。その答えをどう受け取ったかは視聴者の皆さんにお任せしたいです」と、作品の解釈を観客へ委ねた。
韓国メディアとの質疑応答
イベントでは韓国メディアから鋭い質問も相次いだ。松永監督は「映画祭などで韓国へ来ると、お客さんやメディアの方が質疑応答でどんどん突っ込んでくる。それがすごく好きで、いいことも悪いこともはっきり言ってくれる韓国の皆さんがすごく好き」と笑顔を見せた。
通り魔事件の場面を定点カメラで撮影した理由については「目撃したような印象を与えるため」と説明。さらに、太田愛氏の原作小説を現代に置き換える際、スマートフォンの普及など時代背景の変化への対応に苦労したことも明かした。
チョン・イルは撮影を振り返り、「刺激的でスピーディーな作品ができたということを現場で実感しながら、観客の1人としても監督の演出力に本当に驚きました」と語った。
デビュー20周年の節目に
今年デビュー20周年を迎えたチョン・イルは、日本ドラマ初出演について「役者人生のなかで自分のイメージができてしまい、それを少し破りたいと考えていました。挑戦することを恐れず、今回はこのチャンスを逃したら後悔するだろうと思って出演することを選びました」と心境を明かした。松永監督も「もっと引き出しを持っているのではないかと思った。振り幅やポテンシャルがあると思ったことがオファーした理由の1つ」と起用理由を語った。
最後にチョン・イルは「韓国の市場は非常に難しい局面にありますが、危機をチャンスに変えて挑むことが突破口になると思っています。今日このような場に立てて本当にうれしいです」とコメント。松永監督も「韓国映画から多くの影響を受けてきました。韓国の皆さんの視点は楽しみでもあり怖くもあります。これから海外でも作品を撮っていきたいので、まずはこの作品を韓国の皆さんに見てもらいたいです」とメッセージを送り、イベントを締めくくった。



